ダルビッシュWBC代表入りへ、マー君と“談合”疑惑 山本由伸に暗雲で“エース確定”の声

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ダル・田中の同時選出に現実味

 出場か辞退か、躊躇する気持ちに変化を与えたのが田中の存在ではないかというのが前出の元代表スタッフの見立てである。

「ダルは、山本や佐々木とは年齢が10歳以上も離れている。メジャーに10年在籍し、代表に入ってくるNPBの投手との接点に乏しい。田中ならその架け橋になれる。楽天に復帰して2年になり、東京五輪でも代表入りした。ダルは日本ハムでコーチだった吉井(理人)投手コーチを信頼するが、代表でもあくまでコーチ。同僚選手に弟分のマー君がいることは、やや人見知りのダルがチームに溶け込みやすくなる上、ベテランとして受け止めなければならないプレッシャーも田中と分かち合える」

 田中がツイッターで代表入りを希望した後、ダルビッシュはすぐさま「いいね」で反応した。さらに栗山監督は、韓国球界視察から帰国した10月26日に取材に応じ、「感謝しかない。候補の一人」と語ったという。こうした一連のやり取りが公になることで、やや違和感があった田中の代表入りは既定路線になりつつある。

「栗山監督がダルを呼ぶために田中を入れようとしているのか、ダルが代表入りを決意したから田中を入れようとしているのか。いずれにしてもダルの代表入りは現実味を増している」

4人のスーパー投手を2組に

 ダルビッシュが代表入りすれば、大谷とともに大一番での先発を任せられる。WBCで日本は東京ドームでの1次ラウンド、2次ラウンドを勝ち抜けば準決勝に進む。大会は準決勝以降、舞台を米マイアミに移す。

「日本での2次ラウンドまではNPBの投手だけでも勝ち抜ける可能性はある。確かにNPBには勢いがある投手が多い。が、山本にしても佐々木にしても国際大会での経験は乏しい。しかも山本は、日本シリーズ中に古傷で癖にもなりやすい脇腹故障という懸念材料を抱えた。大谷は基本的には打者での出場に軸足を置くだろう。ダルは実質的にエースになり得る。準決勝、決勝と大一番の2試合のうち、いずれかで先発することになる」(同)

 球数制限があるWBCでは先発を長くは引っ張れないため、先発の役目を2人で賄う必要性が生じる。海外フリーエージェント権でのメジャー挑戦を表明したソフトバンクの千賀滉大の代表入りが厳しい情勢の中、ダルのほかに大谷、そして山本、佐々木、この4人のスーパーピッチャーを2組に分け、準決勝、決勝と2試合でメジャー軍団を封じ込める青写真を描ける。

「大谷が出場すれば大きな話題となり、投打、特に打ではチームの軸になるかもしれない。だが、投手では14年ぶりの覇権奪回のキーマンは間違いなくダル。日本の命運を握っていると言っていい」

 ダルビッシュは日本が最後にWBCを制覇した09年、先発から最後は抑えに回った。当時、エースは準決勝で先発した松坂大輔であり、決勝で先発した岩隈久志だった。代表での集大成となる大舞台。前回13年大会のスケジュールに倣えば、来年1月までには確定するとみられる侍ジャパンの最終メンバーに入るかどうか、最も注目される人選となる。

デイリー新潮編集部

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