年末年始の民放「注目特番」を一挙紹介 キーパーソンは松本人志と浜田雅功

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異色は「ラヴィット!」の夜版

 日テレは12月29日夜には昨年と同じく、「ぐるぐるナインティナイン」の4時間以上のスペシャルを放送する。大晦日の深夜には若手芸人が集う恒例の「おもしろ荘」(午後11時半~深夜1時)を放送し、例年通りナイナイが進行役を務める。年末のナイナイは日テレに出ずっぱりの状態となる。

 さらに日テレは12月30日夜には「大家族 石田さんチ!」(午後6時~同9時)を放送する予定。密着していた一家の離散などを理由に他局は大家族モノから撤退するケースが目立つが、こちらは25年続く大家族モノの金字塔だ。

 この番組が追い続けている茨城県常総市に住む石田家の7男2女も時にはケンカをするが、固い絆でつながっている。だから25年も出来た。年末も家族が揃いやすく、家族を見つめ直す好機なので、ウケるのではないか。

 異色の年末番組はTBSの平日午前中の情報バラエティ番組「ラヴィット!」の夜バージョン。プライムタイム(午後7時~同11時)で2時間以上の放送が予定されている。

「日本でいちばん明るい朝番組」をキャッチフレーズとする同番組だが、昨年4月のスタート以来、視聴率低迷が続いている。同じ平日の午前8時から日テレ、テレ朝、フジが流している情報番組とは毛色が全く異なるとはいえ、世帯視聴率も個人視聴率も大きく引き離されての最下位が続いている。

 それでも熱く支持するファンがいて、F1層(女性20~34歳)の支持も比較的高いから、年末の夜の番組としては面白い存在になりそう。成功すれば朝のレギュラー放送に新規の視聴者を引き込める。

 フジは大晦日の夜、大掛かりな大人の鬼ごっこ「逃走中」(午後7時~同10時)を放送する。2015年から昨年までは、格闘技イベント「RIZIN」を放送していたが、今年はやらない。

 5月に一部でRIZIN関係者と反社会勢力の交際が報じられたことが一因と見られる。RIZIN側は反社との関わりを否定したが、民放連とフジは反社排除の方針を強く打ち出しており、慎重を期したのだろう。

「逃走中」は2004年の初回放送から18年が経過。タレントら出場者がハンターと呼ばれる追っ手から逃走し、捕まらなかった時間に応じ、賞金が得られるゲームバラエティだ。最後まで逃げ切ったら高額賞金を獲得できる。

 この番組もルールがほとんどなく、至って分かりやすい。子供から高齢者まで一緒に楽しめる。年末に向くはず。大晦日の視聴率争いのダークホースになるのではないか。

「絶対に笑ってはいけない」が消えた昨年の大晦日の夜、民放で最も高い視聴率を獲ったのは長嶋一茂(56)、高嶋ちさ子(54)、石原良純(60)らによるテレビ朝日の「ザワつく!大晦日」だった。

 視聴率は第1部(午後6時~同8時)が世帯12.1%、個人7.7%。第2部(午後8時~同11時)が世帯9.3%、個人5.4%である。

 2019年の大晦日から始まり、昨年は3回目だった。もちろん今年もやる。時間帯は午後6時から同11時となる。

 さて、年末年始に笑う局はどこか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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