森友哉、巨人“FA移籍”に球団内部から反対論…「オリックスに行くほうが、良さが生きる」との指摘も

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希少価値の高い27歳の“打てる捕手”

 ドラフト会議が終わり、プロ野球のストーブリーグはここから本格的に動き出す時期となった。フリーエージェント(FA)に関しては、ここ数年移籍する選手が少なく、今年も、広島・野間峻祥と西川龍馬、西武・外崎修汰、中日・松葉貴大、阪神・岩崎優らが早くも残留を表明している。その一方で、“目玉選手”がFA移籍を表明する可能性は大いにある。なかでも、注目されているのは、西武の“打てる捕手”森友哉だ。【西尾典文/野球ライター】

 今年は開幕早々に右手の指を骨折した影響で、102試合の出場にとどまったものの、2019年には首位打者とMVPに輝き、ベストナインに3度も選ばれるなど、パ・リーグを代表する捕手である。希少価値の高い“打てる捕手”で、今年で27歳という若さを考えても、FA宣言となれば、複数の球団が獲得に動くことが予想される。

 やはり、巨人の動向が注目されている。2年連続でリーグ優勝を逃し、今年はBクラスの4位に転落したこともあって、再び大型補強に乗り出す可能性が高いと見られている。

 レギュラーの野手は、ベテランが多く、捕手ながら、中軸を打つ力を持つ森が加入すれば、得点力アップが期待できるだろう。これまで金髪だった森が、シーズン途中に髪を黒くしたことも、選手の髪型や服装に厳しい巨人入りを想定してではないかという憶測が流れていた。

ネックは“人的補償”

 しかしながら、球団内部からは、すんなりと「巨人移籍」とはならないのではないかという声が聞こえてくる。

「森獲得へのネックとなる点は“人的補償”ですね。森の年俸は『Aランク』ですので、彼を獲得すれば、西武に誰か選手を出さなければならない。過去に、広島から大竹寛をFAで獲得した際には、代わりに移籍した一岡竜司が中継ぎで大活躍しました。また、山口俊を獲得した時にDeNAへ移籍した平良拳太郎は、今は故障で苦しんでいるとはいえ、まだ若く今後も活躍が期待できる。人的補償で巨人を離れた選手が移籍先で貢献する一方、FAで巨人に移籍してきた選手はなかなか活躍できていません。近年で期待通りの活躍を見せたのは、広島から来た丸佳浩だけですよね……。球団内には、『せっかくこれから一軍で活躍できそうな若手選手を他球団に獲られることを避けるべきではないか』という声も少なくありません」(巨人の球団関係者)

 前出の球団関係者が話すように、巨人は人的補償による若手流出に対して、かなり気を使っているのは間違いない。本記事を書いている10月27日現在で、自由契約とした11人もの選手を、新たに育成で再契約する見込みと報じられている。育成選手は人的補償の対象から外れるため、「この制度を利用して、若手選手の流出を防ごうと、巨人が育成契約を“乱発”しているのではないか」と、他球団ファンを中心に巨人への批判が集まっている。

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