史上初! J1からサッカー王国「静岡勢」が消える? 背景に「守備型チームが有利」な状況

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 Jリーグは残り2節、大詰めだ。J1の優勝争いは首位の横浜FMと2位川崎の神奈川県2クラブに絞られた。J2も2位の横浜FCが自動昇格有力だ。

 一方、J1下位を見ると、磐田が最下位18位で自動降格濃厚。同じく自動降格圏内の17位も清水で、このままだと静岡県2クラブが降格する。Jリーグ創設10クラブの一つである清水は、2016年に1度だけJ2落ちしたが、その年は磐田がJ1にいた。つまり、J1から静岡勢が消えれば史上初の事態となる。

 静岡といえば“サッカー王国”のイメージがある。キングカズこと三浦知良も静岡出身だ。高校サッカー三大大会の合計優勝回数も静岡県がダントツである。

「1980年代の全国選手権では10回中7回も静岡勢が決勝に進出。さながら“静岡vs非静岡”の様相を呈していました」

 と全国紙サッカー担当記者が回想する。

「もっとも1993年にJリーグが創設されると、サッカー熱が全国に拡がり、相対的に静岡の強さが目立たなくなってしまった」

攻撃型のチームは不利?

 それにしても、なぜ今、静岡勢が不振にあえいでいるのか。それには“コロナ”も影響していた。

「どのクラブも、入場料収入が激減し財政難である上、入国制限も相まって、海外のすごいストライカーを獲得できていない。その結果、攻撃より守備を優先する傾向が強くなっています」

 たしかに、J1の試合平均得点は、2020年度が2.83だったのに対し、21年は2.42、今季も2.51と低迷している(10月8日現在)。

 コロナで観客がいなかったり少なかったりするので、得点しても盛り上がらない。それも攻撃陣のモチベーションを下げている。

「その点、静岡は伝統的に、華麗なパス回しや個人技のドリブルなどで攻撃を仕掛ける土地柄。守備を固めると味方サポーターからブーイングが起きるほどです」

 観ていて楽しいが、攻撃的な分、守備が甘いわけで、

「磐田は54失点、清水は48失点で、リーグワースト1、3位。得点は、磐田が30で14位、清水は40で9位とそれなりなのですが……」

 踏ん張れ、静岡!

週刊新潮 2022年10月20日号掲載

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