「みんなちがってみんなクズ」な世界「闇金サイハラさん」 沈みゆく日本のリアル

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 暴力団対策法が施行されて30年以上も経つが、反社会的勢力を描くドラマは廃れない。介護ヘルパーになったり(「任侠ヘルパー」)、児童相談所の職員と入れ替わったり(「ドン★キホーテ」)、主夫になったり(「極主夫道」)。コメディーが多いのは、反社の皆さんをどうにか市井の人々になじませるためだ。私が一番好きなのは「闇金ウシジマくん」。闇金業者が主体で、その阿漕(あこぎ)な手法、冷酷無比な仕事っぷりを描くのだが、債務者側のどうしようもないクズっぷりももれなくセット。「反社だけど善人」なんて奇麗事のエクスキューズもないし、可哀想な債務者(被害者)に同情するかというとそうでもない、むしろ同情しがたい人物が山ほど登場するから。...

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