ロシア兵は戦場から自転車でトンズラ…じつはロシアがウクライナの最大の武器支援国という真実

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最新型戦車も鹵獲

 2021年にアメリカ軍はアフガニスタンから撤退したが、この時も似た光景が報じられた。タリバン兵がアメリカ軍の最新兵器を所有している姿は、戦場カメラマンが撮影して全世界に配信された。

「ただし、鹵獲した兵器は、使うとなくなります。ベトナム軍もタリバンも、米軍の補給は受けられません。武器のコピーに成功すれば話は別ですが、鹵獲による戦力アップは一時的なもので、使い果たせば元の軍備水準に戻ります」(同・軍事ジャーナリスト)

 ところが、ウクライナ軍がロシア軍から鹵獲した兵器は、ついこの間まで自分たちが使っていたものばかりだ。

「今、ウクライナの国土は焦土状態で、軍需工場も大きな被害を受けているかもしれません。そうだとしても、工場の再稼働に成功すれば、鹵獲した兵器の修理も部品の交換も自分たちでできます。銃や弾薬ならいざしらず、戦車といった高度な兵器を鹵獲し、それを継続的に使用できるという状況は、非常に珍しいはずです」(同・軍事ジャーナリスト)

 ロシア軍の最新戦車はT-90だが、一部のメディアは、これもウクライナ軍が鹵獲に成功したと伝えている。

無為無策のロシア軍

「ウクライナ軍は使った経験のない戦車ですが、使用方法を割り出すことは、それほど難しいことではないでしょう。西側の最新兵器よりは楽に使いこなすはずです。T-90が最前線に投入されたことは確認されていないようですが、ウクライナ軍が実戦で使うのは時間の問題ではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)

 鹵獲されると自分たちが危ない──それはロシア軍もよく知っているはずだが、防止策は全く機能していない。

「ロシア軍の現状が不思議で仕方がないのです。普通の軍隊における常識とは著しく外れた、異常事態が起きているとしか思えません。ベトナムやアフガンは負け戦ですから、米軍が武器を放棄したのは理解できます。しかし、ロシア軍は戦争を継続するつもりなので、たとえ退却するにしても、貴重な兵器や武器弾薬は後方に輸送しなければなりません」(同・軍事ジャーナリスト)

 ひょっとしたら、兵站線が壊滅し、輸送が不可能なのかもしれない。だが、その場合は、戦車を使われないよう破壊するのがセオリーだという。

「白リン弾という手榴弾の一種があります。これを戦車の中に投げ込んで爆発させれば、最低でも電子機器が破壊され、戦車は動かなくなります。戦車の中に搭載されている砲弾に誘爆することも珍しくありません。その場合、戦車は完全に壊れてしまうので、ウクライナ軍が使うことは不可能になります」(同・軍事ジャーナリスト)

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