ノブコブ徳井が「嫉妬するほど面白い」と語る芸人6組は?〈キングオブコント2022決勝進出コンビも〉

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「NON STYLE」はなぜずっと人気なのか

「面白い」芸人。挙げ始めたらキリがない。

 これまた「水曜日のダウンタウン」で、「女子中高生の人気芸人ランキングさすがのさすがにもうNON STYLEランク外説」をプレゼンさせてもらっているが、NON STYLEはもちろんすごい。ずっとすごい。

 僕がこの説のプレゼンターを毎年しているからか、「なんか嫌いなんでしょ?」と思われたかもしれないが、全然そんなことはない。

 石田と井上、二人とは同期だし、西と東で違えども、努力している姿もたくさん見てきた。ただ僕は、昔から女子中高生にものすごく人気のあったNON STYLEも、さすがにもう40歳を超えたし、ワーキャー人気も落ち着いたろう、まさか今でも女子中高生の人気芸人ランキングに入るわけないでしょう、という意見を述べただけで、二人をディスっているわけでは決してないし、嫌いなわけでもない。

 現に石田とはライブでいまも月に1度は一緒になるし、ネタというもの、漫才というもの、M-1というものに捧げた時間と努力、そして優勝という結果には本当に頭が下がる思いだ。

 井上とは名古屋の番組で一緒にMCをしている。僕は彼がいるから脱線したトークも気兼ねなくできるし、大雑把なボケも言えるし、仏頂面でVTRを見ることもできる。二人ともプライベートでは一緒になったことはないが、仕事の現場では本当に尊敬も信頼もしている。

 そんなNONS TYLEは、幸か不幸か、人気者になるのが早かった。早過ぎた。

 だから大阪では信じられないほど芸人から嫉妬されただろうし、それを覆すために血のにじむような努力をし、M-1を取った。

 そもそも二人の漫才は面白いし、集客力がある。けれど、やはりM-1を優勝したとしていないとでは、きっと大きく違っただろう。

泣き顔を笑顔の化粧で隠す「芸人」

 芸人仲間から「面白い」「才能がある」といくらはやし立てられても、世間に認められなかったら食べていけない。もちろん、芸人をそのまま続けることも難しくなる。

「芸人」とは、やはり長く険しい茨の道だ。だがその苦労は、ほとんど語られない。目の前の人を、お客さんを笑わせるのが仕事だから。笑わせたくて、芸人になったから。

 強いていうのなら僕が、その内情を、余計な一言二言三言四言を、こうしてお話しするくらいのものなのだ。

 ピエロのように、泣き顔を笑顔の化粧で隠す「芸人」。

 そんな芸人を、「バカだなー」「くだらない」「アホちゃうか」と笑ってください。

 決して「最高ですね」「天才だ」「生まれてきてくれてありがとう」などと口にしてはいけません。

 僕らを見て、「生きてて良かった」と一人でも多くの方が思えることを、僕ら芸人は日々願っています。

徳井健太(とくい・けんた)
1980年北海道出身。2000年、東京NSCの同期生だった吉村崇とお笑いコンビ「平成ノブシコブシ」結成。「ピカルの定理」などバラエティー番組を中心に活躍。バラエティーを観るのも大好きで、最近では、お笑い番組や芸人を愛情たっぷりに「分析」することでも注目を集めている。趣味は麻雀、競艇など。有料携帯サイト「ライブよしもと」でコラム「ブラックホールロックンロール」を10年以上連載している。「もっと世間で評価や称賛を受けるべき人や物」を紹介すべく、YouTubeチャンネル「徳井の考察」も開設している。https://www.youtube.com/channel/UC-9P1uMojDoe1QM49wmSGmw

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