安倍元首相「国葬」にベトナム国家主席 8月末に訪越した元内閣参与が驚いたこと

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安倍元首相への賛辞

 これほどのベテランなので、日本との関係も深い。会合を持った日本の外務大臣だけでも、玄葉光一郎(58)、岸田文雄、河野太郎(59)の3氏にのぼり、2019年5月には当時、首相だった安倍氏を表敬訪問している。

「2012年、安倍さんは首相に返り咲きました。20年までの長期政権における安倍外交には様々な特徴がありますが、その中の一つにベトナムとの関係重視が挙げられます。14年には日越関係を『アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ』と定義しました」(前出の記者)

 日越友好議員連盟の会長は二階俊博・元自民党幹事長(83)が務めている。ベトナムとの友好関係に力を入れていることは有名だ。

「ハノイ市の会場を訪れると、副首相から直々に歓待を受けました。そこで私たちは、きっと面識をお持ちだろうと、二階さんの名前を出したのです。ところが副首相は、頷かれてはいらっしゃいましたが、あまり反応はなく、突然『ここに安倍内閣の官房参与がいると聞いているが、安倍元首相が亡くなられたことに、心からお悔やみを申し上げます』と丁寧に挨拶をしてくださったのです」(前出の加藤氏)

若いスタッフの意外な行動

 それだけなら外交辞令ということもある。しかし副首相は、安倍元首相に対する賛辞を重ねたという。

「『日越両国で友好関係が樹立されたのは安倍元首相の貢献が大きい』とか、『あれほど素晴らしい政治家を失って断腸の思いです』と、私たちも感激というか、とにかくとても嬉しくなるような言葉をかけ続けてくれました」(同・加藤氏)

 加藤氏が持参した安倍元首相の遺影を封筒から出すと、副首相は喜んで遺影と記念撮影。会がお開きになると、またまた意外なことが起きたという。

「副首相の近くにいた若いスタッフが、走るようにして私に近づき、『安倍さんのファンです』。『奥様や、お母様はどうされていますか?』『本当に素晴らしい人でした』などと口にしていました。安倍さんと面識のある外務大臣だけでなく、ベトナムの若者も安倍さんのことを敬愛していたことが伝わってきて、これにも驚かされました」(同・加藤氏)

デイリー新潮編集部

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