テレ東がたった「5分間」の国葬特番 地上波は「ベートーベン」、ネットでは「名物記者」で勝負するワケ

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地上波は捨ててYouTubeで“勝負”

 だがテレ東は、地上波の5分だけで国葬を伝えるつもりではない。ネット番組ではしっかりと生配信を予定している。YouTubeとも連動している『テレ東BIZ』というニュース配信サイトだ。

「篠原裕明・官邸キャップによる解説番組を午後1時45分から国葬終了まで生配信する予定です。実は、いま彼のコンテンツは、YouTubeで100万回以上の再生数を出すほど大人気。地上波で厳しい勝負をするくらいならば、好調なネットで堅実に勝負しようという考えです。5分間の特番の中では、ネット番組への誘導も行う予定です」

 篠原キャップといえば、今年7月に放送された池上彰氏の参院選特番で、生稲晃子参議院議員が取材に応じない理由として「国会議員としての資質、勉強が圧倒的に足りないからと陣営が語っている」とスタジオで”暴露”したことが話題になったばかりだ。

「政治部が長く、オタク気質なところもあるので、テレビ向きのトリビアを数多く知っている。ネット民の反応もいいので、いま”名物記者”として売り出しているんです。選挙特番で池上さんが披露しているネタの多くも彼が仕込んでいます。小学校3年生の時に日テレの『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』に出演していた“子役”あがりとあって、語り口が面白い」

もう一人の「売り出し中の記者」

 ちなみにテレ東では、もう一人ネット上で売り出し中の記者もいるという。

「『Newsモーニングサテライト』の豊島晋作キャスターです。彼もネット番組で解説しているんですが、篠原氏以上の人気で数百万回再生を連発している。本当は彼もこの間の選挙特番に出演させる予定だったのですが、コロナにかかってしまいキャンセルになってしまったのです。彼の強みは、ロンドン支局とモスクワ支局時代に培った英語力で、ウクライナ情勢の解説は大人気コンテンツ。二人とも記者なので、自分で取材して原稿を書いて解説してくれるから安上がりでもあるのです」

 報道機関としての意地。そして、ビジネス戦略としての「5分間」なのである。

デイリー新潮編集部

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