「支持率3割切って岸田は持たない…」自民党長老議員から出始めた“早期解散論”の根拠

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早期解散のメリット

 7月の参院選に勝利した岸田内閣は「黄金の3年間」を迎えると言われていた。これは2025年夏の参院選まで大型の国政選挙が行われないことを指す。

「ところが、今や自民党議員は『黄金の3年間』などと口にしなくなりました。むしろ岸田内閣の支持率がどこまで下がってしまうのか、戦々恐々としているのが実情です」(同・ベテラン自民党議員)

 短期的な視点では、「このまま打つ手がなく、ズルズルと支持率が下がり続ける」という可能性が懸念されているという。

 ベテラン議員ほど危機感が強く、「岸田は長くはもたない。ならば早めに勝負するしかない」という声が上がり始めているという。

「具体的には、衆院を解散して総選挙に打って出るべきだ、という意見です。いわば“リセット解散”というイメージでしょうか。有権者が統一教会の問題を強く批判している以上、野党を含めて審判を仰ぐ。もし統一教会との“癒着”が問題視されている自民党の議員が落選しても、仕方がないというわけです」(同・ベテラン自民党議員)

 最大のメリットは、総選挙の結果さえ出れば、「少なくとも自民党の衆院議員は禊ぎを終えた」と主張できることだろう。

岸田首相の勇気

「他にもメリットはあります。いわゆる“10増10減”の問題です。衆院における“一票の格差”を是正するため、政府の審議会は、25都道府県、140選挙区の区割り案を勧告しています。予定では、秋の臨時国会で改正公職選挙法が成立し、1カ月の周知期間を経て導入されることになっています」(同・ベテラン議員)

 ところが「10減」は、安倍元首相の地元・山口県や、自民党の大物議員である二階俊博元幹事長(83)の地元・和歌山県などが含まれている。

「安倍さんが存命でも、山口県や和歌山県は大モメすることは必至と言われていました。しかし、10月か11月に解散をすれば、現行の区割りで総選挙が行われます」(同・ベテラン議員)

 おまけに、本来なら山口県と和歌山県では、来年4月に衆院補選が行われる予定になっている。こちらも早期解散に踏み切れば、総選挙に吸収される。

 と、まさにいいことずくめの早期解散論なのだが、岸田首相が決断する可能性は決して高くはないという。ベテランの政治記者が言う。

「解散総選挙は、かなりのエネルギーを必要とします。そもそも、どんな首相だって長期政権を夢見ているものです。岸田さんだって例外ではありません。野党も支持率は低いとはいえ、選挙の結果によっては、岸田さんが自民党内で求心力を失うことだって考えられます」

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