エリザベス女王、貴重な47年前の訪日写真 大河ドラマ撮影現場も見学、お相手した主演俳優は?

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昭和天皇と和やかな会話を

 エリザベス女王の訃報は、いまだ世界中を意気消沈させている。東京・千代田区にあるイギリス大使館前には多くの花が手向けられ、記帳のために数百人が列をなした。本邦でもその崩御が惜しまれたエリザベス女王。日英関係の象徴ともいえる女王と日本の友好の思い出を、47年前の訪日写真から振り返る。

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 1975年5月7日。49歳のエリザベス女王は、フィリップ殿下とともに、初めて日本に降り立った。時は昭和、三木武夫内閣の時代である。到着した女王を赤坂の迎賓館で出迎えたのも、昭和天皇だ。

 当時の新聞によると、昭和天皇は「皇太子時代の訪欧で、初めてイギリスに上陸したのも5月7日でした」と話題を振った。対して女王は「それはコインシデンス(偶然の一致)ですね」と返すなど、和やかな会話が交わされたという。

歌舞伎をご見学し「かわいそうな牛さん」

 翌8日には、NHKで大河ドラマの収録、歌舞伎などをご見学。当時の大河ドラマは「元禄太平記」。出演者の石坂浩二や松坂慶子らと談笑する姿も写真に残っている。

 歌舞伎は演目「車引」を鑑賞し、壇上の牛は2人の役者が動かしていると聞くと、「かわいそうな牛さん」と呟くユニークな一面も。

 その後、女王ご一行は京都、伊勢、鳥羽と6日間にわたり日本の名所を観光した。京都から伊勢に向かう際に乗った近鉄特急の運転士には革製の財布を突然プレゼントしたというから、女王の気さくさには驚かされる。

 また、三重・真珠島では海女による真珠の採取を見学し、「彼女たちは一年中真珠を採っているのですか」と声をかけるなど、市井の生活への興味も深かったことがうかがえる。

 それからおよそ50年の月日が流れ、世界は激変した。元号は平成、そして令和へ。君主として生き抜いた女王の崩御は、これからの日英関係にどのような変化をもたらすのだろうか。

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