あの会見は何だったのか? 角川歴彦容疑者逮捕までのドタバタ劇 「社員を信じる」発言の“勘違い”

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「女房がストレスになっちゃうよ」

 このように大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者側に7000万円を送金した事実を認めながらも、賄賂の意図は完全否定。さらに、「僕は決裁権がない」「それは社員を僕は信じますよ」「社員が不正したことは信じたくない」などと、“疑われているのは社員であって自分ではない”と言わんばかりの発言を繰り返したのである。

 会見の終わりに「今度、家に来たら迷惑防止条例で警察に連絡する」「女房がストレスになっちゃうよ」と軽口まで叩いていた角川氏。

 だが翌6日に、専務取締役だった芳原世幸容疑者(64)と担当室長だった馬庭教二容疑者(63)の二人の部下が、そして9日後の14日にはとうとう本人までも逮捕されてしまったのである。なぜ、角川容疑者はあのような自信を見せられたのか。

“売られた”可能性は?

 前出の司法記者はこう分析する。

「あの会見が開かれる前から、逮捕された二人の部下とともにすでに任意で複数回、特捜部の事情聴取を受けています。つまり、自分も被疑者扱いを受けていたことを十分認知していたはず。それでも捕まらない自信があったのは、自分たちは相手がコンサルだと思っていたから罪に問われないと本心から思っていたのでしょう。AOKIと同じ。捕まったとしても窓口役の部下二人までで、自分にまでは及ばないと考えていた節もある」

 特捜部が角川容疑者を部下二人と一緒に逮捕しなかったのは、まだ角川容疑者の容疑を固めきれなかったからとみられるが、二人の供述が本丸逮捕につながった可能性はあるのか。

「二人とも賄賂の認識については否認しているようですが、支払いの決定に角川容疑者が関与していたと供述している可能性はあります。7000万円もの高額な支払いを会長の了解なく進められたとは考えにくい。角川容疑者の自宅にもガサが入っており関係資料を押収している。それら証拠すべてを勘案して逮捕に踏み切ったと思われます」(同)

 角川容疑者は逮捕後の調べでも変わらず容疑を否認しているという。

デイリー新潮編集部

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