大谷翔平とヤンキース・ジャッジ、どちらがMVPに? 大谷が盛り返せる「チャンス」とは

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

8.6対7.9

 ところで、MVPは全米野球記者協会に所属する記者30人の投票で決まるが、彼らが投票する際に最も参考にするという「WAR」なる数値について、メジャーリーグ研究家の友成那智氏が説明してくれる。

「WARはチームへの貢献度ポイントのような数値で、現在は大谷が7.9でジャッジが8.6(日本時間9月9日現在)。3位のホセ・ラミレスを大きく引き離し、ジャッジと大谷の一騎打ちです。とはいえ、現状は8対2の割合でジャッジが優勢ですが、大谷が逆転する可能性も十分あります。ジャッジはいま相手投手に徹底的にマークされて、厳しいコースを攻められ、打撃成績が若干伸び悩んでいます。一方、大谷に有利なのは、ホームランを打っても0.1にしかならないのに、先発登板して7回を零封すれば0.5が加算されること。大谷は今後、最大5試合への先発登板が見込まれ、対戦相手は得意なチームばかり。苦手なレンジャーズ戦は残っていません。ただ、大谷がMVPを受賞する必要最低条件として、規定投球回数(162イニング以上)に達する必要があります」

奪三振数が200に達すれば…

 現在の投球回数は141回。早いイニングでノックアウトされることが続かないかぎり、到達しそうだ。

「そうすれば防御率は3~4位に入るし、サイ・ヤング賞の最終候補3選手にも残ると思います」

 前出の小谷氏も言う。

「規定投球回数に到達すれば、記者たちに強いインパクトを与えます。また現在の奪三振数は188ですが、年間200に達すれば、これまた記者にとってインパクトのある数字になる」

 いずれにせよ、「“どちらがMVPを受賞してもおかしくない”と、アメリカのメディア関係者が異口同音に話している」(小谷氏)という状況。仮に大谷が受賞を逃したとしても、日本人にとって誇らしい状況であることに変わりはない。

週刊新潮 2022年9月15日号掲載

ワイド特集「渦中の人」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。