香川照之が心待ちにする「反撃の時」 行定監督に執着し続け「倍返し」した過去も

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週刊新潮」が報じた、香川照之さんによる、銀座クラブでのセクハラ行為と“暴行”。CMや番組の降板が続き、次から次へと悪行の数々が暴露されている。多くを語らない香川さんに代わって周囲はヒートアップするばかり。彼の去就だけでなく銀座クラブの存在意義や歌舞伎界の古い体質まで、さまざまなところに飛び火している状態だ。

 ガーシー氏や梅沢富美男さんから、「酒癖の悪さは前から有名だった」と言われている香川さん。そうだったとしても、騒動が明るみに出るまで全く片鱗さえ見せなかったのはさすが役者である。役者一家に生まれたといえど複雑な環境から実績を積み重ね、苦労人というイメージも強い。東大卒でフランス語が得意という頭脳派の顔を持ちつつも、昆虫愛を語る姿は時にコミカル。オーバーアクションの当たり役さながら、過剰なエネルギーをエンターテイメントに昇華させるのが得意な人という位置付けだった。

 だからこそ残念がるファンは多いし、過去のことを掘り返したマスコミへの反発も強い。しかし香川さんの生き方には、常に「過去」に対する執念を感じるのである。

 印象深いのは、有名映画監督である行定勲さんとのエピソードである。大学4年生の頃、TBSの「日曜劇場」のADをしていた時に後輩として入ってきたのが行定監督だったという。ただ、先輩風を吹かしてイヤミな仕打ちを重ね、嫌われてしまったそうだ。後に俳優と映画監督として出会った時、100回近いテスト撮影や雪山で50回もリテイクをさせられる羽目に。「君、ちょっと芝居が……」などとダメ出しをされ、「15年越しで復讐されたと思った」という話である。

 おそらく2002年公開の浜崎あゆみさん主演の「月に沈む」と、2005年の「北の零年」を指している。ただ興味深いのは、香川さんもこの話を何年にもわたって語り続けているのである。2009年の「カイジ 〜人生逆転ゲーム〜」の舞台挨拶やラジオ出演時、2017年の「ぴったんこカン・カン」でも。彼もまた、「行定監督に学生時代の仕返しをされた」と10年近くしつこく言い続けていることになる。

 恐るべき執念深さ。怖いのは、香川さんはCMやドラマに引っ張りだこの俳優であり、裏方の行定監督より高い知名度と大きな影響力を持っていること。そんな彼が「ここぞとばかりに学生時代の仕返しをしてきた監督」と言い続ければ、「なんて小さい男だ」と監督の評判が落ちるだろう。倍返しも倍返しである。笑い話のようにしているが、監督も憂慮する部分があったとみえる。香川さんの発言を受けて「回数を盛ってる」「そんな高飛車な言い方はしていない」とフェイスブックに投稿していたと報じられた。

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