統一教会「日韓トンネル計画」麻生太郎も顧問を務めていた 「事業にお墨付きを与えた」

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 票や選挙支援欲しさにイベントへの出席や祝電を繰り返す――。一連の騒動で明らかになったのは、そんな“選良”の姿だが、以下もその一端といえる。無謀なトンネル構想にも、大物政治家たちが群がっていた。

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 統一教会を巡る報道で近頃よく目にするのが「日韓トンネル」事業である。

 この構想、ごくごく簡単に記せば、九州は佐賀県・唐津と韓国・釜山の間を、海底トンネルで結び、日韓交流を活発化させる、というもの。

 統一教会の文鮮明開祖が1981年に提唱し、翌年には「国際ハイウェイ建設事業団」(現・財団)を設立。以来40年、同団は唐津市で試掘を、中継点に当たる長崎の壱岐島や対馬でも工事や調査を行うなど、プロジェクトを進めてきた。

 しかし、トンネルの距離は実に200キロで、青函トンネルや、英仏をつなぐドーバー海峡・ユーロトンネルの4倍にも及ぶ。

献金を募る道具に

「荒唐無稽で、実現は不可能と言っていいでしょう」

 と言うのは、全国霊感商法対策弁護士連絡会・東京事務局長の、渡辺博・弁護士。

「唐津の現場でも、自分たちで買った土地をその範囲で掘っているだけですし、壱岐でも少し穴が掘られているというレベルで、とても実現に向かっているとはいえません」

 それでも、なぜ教会はプロジェクトを大々的に宣伝し続けているのか。

 渡辺弁護士が続ける。

「壮大な事業を推進していると示すことで、信者を鼓舞するため。もう一つは、巨大プロジェクトのアドバルーンを上げることが、献金を募る道具として役立つからです」

 過去には、1ミリ掘るために5万円が必要として、「1ミリ5万円献金」という運動を展開、中にはトンネル建設などのために3.7億円も寄付した信者がいて、裁判沙汰になったこともあった。

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