大谷翔平「逆転MVP」に一抹の不安 記者投票で「WAR」「ダブル規定」以外の“決め手”とは

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ジャッジのバックに強力NYメディア

 米大リーグのア・リーグのMVP争いはエンゼルスの大谷翔平(28)とヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)で一騎打ちの様相を呈している。現時点ではジャッジがやや有利とみる向きもあるが、残り1ヵ月で逆転は十分に可能。記者投票によるMVP争いは最後まで予断を許さない中、仮に僅差の争いになれば、プレーとは無関係なことが大谷のマイナス材料になるのではないかと囁かれている。【津浦集/スポーツライター】

 大谷は8月29日から31日までのヤンキース3連戦で、登板こそなかったものの2本塁打を放った。この3連戦で同じく2本塁打だったジャッジとは互角以上に渡り合った。

「特に3戦目のメジャー屈指の速球派右腕コールの158キロをセンターに打ち込んだホームランは圧巻だった。しかも逆転3ランで、この試合のヒーローになった。ヤンキースとの最後の試合だっただけに、ジャッジを上回る印象を残した」(エンゼルス番記者)

 2017年に52本塁打でタイトルと新人王に輝いたジャッジは、MLBが完全に低反発球に入れ替わった今季、1人異次元のペースで本塁打を量産する。ロジャー・マリスの61号のア・リーグ記録を更新すれば、ナ・リーグでその上にいるバリー・ボンズ、マーク・マグワイアらは「ステロイドの時代」の選手だけに、事実上の「メジャー新記録」となる。

「今季から公式球が完全に入れ替わって飛ばなくなり、“投高打低”が顕著な中でホームランのペースは驚異的。ヤンキースが所属するア・リーグ東地区はメジャーで最もハイレベルで、対戦投手も難敵ぞろいだけに、より価値がある。影響力が強いNYのメディアがついており、一時はジャッジで当確とのムードさえあった」(在米ジャーナリスト)

 一方、大谷はオールスター戦後に猛追してきた。特に8月は10勝目に到達し、ベーブ・ルース以来の104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」の快挙を達成した。打撃でも30本塁打を放ち、メジャー史上初の「10勝、30本塁打」をクリア。二刀流で超人的な活躍が続いている。

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