夏の甲子園は不作?「目玉は浅野翔吾だけ」との声も 地方大会で敗れたドラフト候補の“気になる評価”

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夏の甲子園は「プラスアルファ」

 1日4試合が行われる甲子園では、第1試合の試合開始から第4試合の試合終了までずっとスカウトが張り付いているわけではない。候補となる選手が出場しない日は、途中から球場入りすることや、第4試合の開始早々に球場を後にすることも珍しくない。

 筆者は、毎年、夏の甲子園を取材している。特に、今年は前述したような動きを見せる球団が多かったと感じた。球団によって方針は異なるが、世間の注目度の高さほど、スカウト陣は夏の甲子園を重視していないという。

「プロ側の高校生に対する評価は、春季大会から夏の地方大会の間に、ほぼ決まります。夏の甲子園は、GMやスカウト部長なども揃うことが多いので、そこで活躍すれば、『評価を見直そうか』という話も出てきますが、それでも、あくまで『プラスアルファ』という位置づけじゃないでしょうか。また、誰もが認めるドラフト1位候補は別として、担当スカウトは、自らが推薦したい選手は、『夏の甲子園に出てこなくてもいいと思っている人』が多いと思いますね。投手は、甲子園で球数を多く重ねると、当然、故障のリスクが高くなります。また、ポジションに関係なく、甲子園で大活躍すれば、高い順位でないと指名ができなくなることがある。担当エリアを持っている場合は、夏の甲子園を複雑な気持ちで見ているスカウトが多いと思いますよ」(前出のパ・リーグ球団スカウト)

 これを代表するような事例がある。2017年にDeNAから3位指名を受けた阪口皓亮だ。北海高校時代の3年夏、南北海道大会での防御率は5点台だったにもかかわらず、夏の甲子園では最速148キロをマークし、スカウト陣の注目を集めた。その結果、ドラフト3位でプロ入りを果たすが、もっと低い順位で指名を狙っていた球団があったと聞いている。ちなみに、阪口の通算成績は、14試合に登板し2勝6敗で、今季は一軍登板がまだない(8月30日現在)。

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