ソウルで行われた旧統一教会“抗議デモ”を韓国メディアは完全スルー 元信者が語る「日本との違い」

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 日本では収まる気配がない旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)報道。毎日のように教団と接点を持つ政治家の名前がメディアにあぶり出され、その政界への浸透ぶりには驚愕させられるばかりだ。では、教団発祥の地・韓国ではどう報道されているのか。日本同様の騒ぎが起きているかと思いきや、話題にすら上がっていないという。いったいなぜ――。

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韓国ではまったく報道されなかった抗議デモ

「家庭連合への偏向報道を許すな!」
「宗教弾圧、ヘイトスピーチをやめろ!」

 8月18日、ソウル市光化門周辺では水色のサンバイザーをつけた集団がシュプレヒコールをあげていた。集まったのは約3000人の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の信者たち。中心となっているのは合同結婚式で韓国に嫁いできた日本人女性である。この日の様子は、日本ではニュース番組やワイドショーで大きく報道された。

 だが、韓国メディアは黙殺したという。そのワケを韓国のテレビ業界関係者はこう語る。

「そもそも統一教会は韓国では“異端”です。そんな宗教団体の主張を公共の電波を使って取り上げるなんてありえないという考えがあります」

 そうは言っても、隣国・日本で社会問題化しているからこそ起きたデモである。教団発祥の地で騒動をレポートするニュースバリューはないだろうか。だが「うーん」と首をひねるのだ。

韓国での霊感商法は「聞いたことがない」

「韓国人にとっては、あまり関係ない話になっているんですよね。もちろん、安倍晋三元首相の襲撃事件は大きく報じられたし、その背景に統一教会があったことも伝えられてはいます。けれど、事件を起こしたのは日本人ですし、教団も韓国ではまったく知名度がないため、韓国発祥と言われても誰もピンと来ないのです。だから、事件後の日本の騒ぎはあまり報道されていません。ちょっと岸田内閣が教団との関係性を疑われてピンチくらいな伝えられ方です。こっちの政治も尹錫悦大統領夫人問題などで大炎上中なので」(同)

 何とも不可解な話であるが、元韓国人信者もこう語る。

「結局、韓国人が被害を受けていないというのも大きいと思います。教団が韓国人相手に霊感商法をやっていたなんて話は聞いたことがない。というか、そんなことは土台、無理です」

 その理由は韓国人の宗教観にあるという。

「僕もそうだったんですが、韓国人にはクリスチャンが多い。ソウルの街を歩けばわかると思いますが、いたるところに教会が建っています。プロテスタントとカトリックを合わせると、3割くらいがキリスト教徒です。仏教徒も2割くらい存在します。無宗教の人が半分くらいで、逆に言うと国民の約半数が何らかの宗教を信じています」

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