「呼べば来る女」から「来るのが喜ばれる女」へ…「真面目なAKBは報われない」を10年越しで覆した峯岸みなみ

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イケメンダンサーからIT社長、そしてYouTuberへ……オトコの趣味に見る峯岸みなみの不安定さ

 峯岸さんとうわさになった面々を見ると、ルックスには一貫性がない。けれども、時代ごとの寵児という点では一致している。イケメンダンサー、電通社員、人気エアーバンドメンバー、IT社長、そしてYouTuberだ。世間で人気がある人ばかりに引かれていくのは、好きというよりは「自分もああやって世間に迎えられたい」という同類化願望もあったように感じる。

 10代の多感な時期にアイドルとしてデビューし、同年代の女性と見た目や人気で優劣をつけられる環境では不安定にならない方がおかしい。以前出演した「グータンヌーボ2」でも、

「自然と『人にとって自分はどれくらいの順位なのか』とか、『周りと比べて自分がどれだけ劣っているのか、優れているのか』っていうのを考えちゃ」うと弱音を吐いていた。

 坊主頭になった時も、本当に後悔している一方で、いつになく多くの人が自分に注目してくれるのは気持ちが良かったのではないだろうか。バラエティーでも坊主ネタを披露し、「笑いがわかってる子」というキャラを得たことに満足げな様子だった。酒太りした体をさらした「ライザップ」CMや、どこか捨て身の笑いも多かったように思う。

 どんなに笑っていてもにじみ出る負のオーラ。彼女の自己肯定感の低さもまた、軽んじられる一因であっただろう。てつやさんとの交際発覚時、峯岸さんはある男性スタッフから「不幸そうなところが面白いのに」と残念がられたという。また、夫と同じ東海オンエアのメンバーの妻は、YouTuber時代に「峯岸はただのぶすじゃん!」とツイートしていたことが暴露された。真面目さよりも要領良く稼いだもん勝ち。峯岸さんを便利使いする番組スタッフも、彼女をけなして再生数を稼ぐYouTuberもそうだ。でも峯岸さんは真逆で、ひとつひとつの心無い言葉を真に受け、愚直に体当たりを繰り返してきた人なのだろう。そのかいあって、報われる光明が見えてきたのは2019年である。

10年越しで覆した不名誉 仕事でも恋愛でも「来るのが喜ばれる女」へ

 てつやさんとの交際に発展したのは2019年ごろとされるが、峯岸さんが「女子メンタル」で初代女王になったころである。口説かれた芸能人を言ってピー音が入ったり、ガチャピンのコスプレや剛力ダンスを踊るなど、爪痕を残そうとする姿勢がすごかった。でもその吹っ切った姿が突破口になったのだろう、MCの松ちゃんが絶賛しただけでなく、彼女への好感度は爆上がりに。かつては彼女を「鼻につく」と敬遠していた有吉さんも、「峯岸は最近良くなった」と声をかけてくれたという。

「呼べば来る女」ではなく、「来るのが喜ばれる女」へ。10年以上の時を経て、彼女はようやく自分の居場所を作ったのだろう。何より夫のてつやさんは、それこそ10年以上彼女の大ファンだった。彼女が横に来てくれるのを、誰よりも心待ちにしていた人だ。

 てつやさんによる結婚報告の写真で見る峯岸さんの柔らかな表情は、今までで一番かわいらしい。ツイートには、130万以上のいいね!がついている。結婚はもちろんのこと、峯岸さんが頑張ってきた道のりを、心から祝福したい。剛力ダンスを踊りながら。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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