中村剛也「450本塁打」で名球会に揺さぶり 大谷翔平も選外という入会規定の“欠陥”

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2000安打より低い出現率

 プロ野球で過去13人しかいない快挙達成となった。西武の中村剛也が8月12日の楽天戦で、39歳の誕生日を目前に史上14人目となる通算450本塁打に到達した。通算2000安打は54人いるだけに、その難度の高さがうかがえる。しかし、かの名球会(山本浩二理事長)入りの条件に通算本塁打数は含まれていない。特例での入会の可能性は残されているものの、「450本塁打でも十分入会に値する。仮に500本塁打に届くことになれば2000安打、200勝、250セーブに加え、無条件で四つ目の入会条件にすべきだ」との声が上がっている。【津浦集/スポーツライター】

 中村はホームランか三振かという特殊な打撃スタイルを確立した。8月13日現在、1686安打で、2000安打には残り314本。このペースなら500本塁打への到達が2000安打より先になる。

 500本塁打は、日米通算507本塁打の松井秀喜(元巨人、ヤンキースなど)を除くと8人しか達成者がいない。2000安打よりはるかに「出現率」が低い大記録である。

 MLBで500本塁打は「3000安打」「300勝」と並び、最高の栄誉である野球殿堂入りの目安となる。ステロイドによる薬物問題が起きる以前、1996年までの達成者はいずれも殿堂入りを果たした。達成者は「500本塁打クラブ」との呼び名で尊敬を集める。「日本球界での500本塁打は、1シーズンの試合数がメジャーより少ないだけに、より値打ちがある」(元NPB監督)

 近年、NPBではMLBの「フライボール革命」の影響が色濃く出ている。三振を恐れずにホームランを狙う打撃は、高校野球でも顕著に見られるようになった。

「これからもフライボール革命は続いていくかもしれない。そうなると、中村のような本塁打か三振かというスタイルの打者が生まれやすい。通算本塁打数で名球会入りが可能になれば、そうした打者の励みになる。日本球界では好選手の出現が俊足巧打のタイプに偏ってきたが、プレースタイルに多様性をもたらすことも期待できる」(同)

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