にしおかすみこが明かす認知症母、ダウン症姉、酔っ払い父との生活

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 いわゆる“SMの女王様”のファッションでムチを振り回し、漫談を披露していた女性の一発屋芸人といえば、思い出す人もいようか。現在、にしおかすみこ(47)は芸能活動をしつつ、実家で家族の介護に向き合う。その日常を書いたエッセイが共感を呼んで話題なのだ。

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〈母、80歳、認知症。

姉、47歳、ダウン症。

父、81歳、酔っ払い。

 ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。46歳。独身、行き遅れ。〉

 こんな「家族紹介」で始まるエッセイ「ポンコツ一家」は昨年9月からライフスタイル誌「FRaU」(講談社)のサイトで連載中。ご本人が執筆のきっかけを語る。

「2020年にコロナ禍で仕事がなくなり、貯金も底を突いたので、家賃が安いところへの転居を考えまして。ところが久しぶりに千葉の実家に戻ったら、どうも様子がおかしい。それが、20年の6月のことになります」

“頭かち割って死んでやる”

 その時の模様は次のように描かれる。

〈以前から雑然としたうちではあったが……(略)ちょっとしたゴミ屋敷だ。

 そんな中に埋もれるように母が、いた〉

 床を歩くと、砂だらけでジャリジャリと音がする。仕方なく部屋を掃除すると、母親の怒鳴り声が。

〈余計なことするんじゃないよ! 偉そうに!〉

 家には酒に目がない父親と、障害者用就労施設に通う姉。これは放っておけないと、彼女は引っ越しを諦め、二十数年ぶりに家族と住むことを決める。

「まず母が認知症かどうか確認するため、精神科で診てもらうことに。“絶対行かない”“頭かち割って死んでやる”と抵抗していた母ですが、突然“行く”と。その瞬間にタクシーを呼んで連れて行きました」

 結果、脳の萎縮が見られ、初期の認知症と診断された。

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