岸田首相が内閣改造を決断した「もう1つの理由」

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もう1つの理由とは?

「岸田首相としては今回の人事で反転攻勢が可能だという風には思っていなかったフシがあります。国葬はどれだけ反対があっても中止や延期はあり得ないし、旧統一教会と関わりのない議員だけを閣僚や党幹部に起用するのは現実的に難しい。ズブズブの議員は排除するにしても、ある程度のところで線引きしたうえで選ばざるを得ない」(同)

 実際、旧統一教会と何らかの関係のあった閣僚は既に8名にのぼっている。

「これでは改造の意味がないではないかという指摘もあるかもしれませんが、新閣僚と教会との関係が露見するのは織り込み済みだったと思います。過去に関係があったかもしれないが、今後は旧統一教会に限らず、反社会的な振る舞いをする団体と縁を切るというスタンスをキッパリ打ち出せるかが大事だと判断しているのでしょう」(同)

 これまで、岸田首相が内閣改造を決断した理由について見てきたわけだが、また別の理由があるのだという。

「岸田さんは5日の朝、台湾への電撃訪問を経て来日したナンシー・ペロシ米下院議長を公邸に迎えて朝食会を開きましたね。その際に、台湾有事への備えが緩すぎることを指摘され、いつ起こってもおかしくないレベルで対応してほしいという米政権側の意向を伝えられたようなのです」

 と、永田町関係者。

米側の圧力

「米側は名前こそあげなかったものの、機能しているように見えない当時の岸信夫防衛相の交代を迫っていたのは明らかでした。岸氏は体調不良が影響して十分に職責を果たしていたとは言い難かった。しかしこれまで安倍氏の実弟ということもあって単なる防衛相ではなく、岸田首相としてもそう簡単に交代させられなかった」(同)

 ハレーションが起こらないよう9月予定の改造で交代をと目論んでいたが、

「米側の圧力でそうも行かず、加えて岸氏の人事に関してはネックとなっていた安倍氏が亡くなったこともあり、改造に踏み切ったという流れでしょう」(同)

 防衛省は外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など、安保関連3文書の年内改定を目論む。防衛費の増額も含め、喫緊の課題を抱える中、岸田首相も米側の圧力には抗えなかったということなのだろう。

デイリー新潮編集部

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