ミャンマー軍事政権が有名モデル2人を逮捕 容疑は「セクシー過ぎる」から

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当局の怒りを買った反軍政民主派活動

 「性的」というのは、逮捕の口実だという見立てもある。2人はクーデター後の民主派の反軍政活動に共鳴しており、その関心や言動が当局の怒りを買った可能性が高い。

 ナンさんは民主派の集会に参加し、220万人のフォロワーがいるSNS上でも民主派の運動を支持するなどの活動をしていた。ヤンゴンにある米国大使館前で行われた集会で、「軍のクーデターに強く反対する。ミャンマーの全ての世代の国民はクーデターを許すことはない。この運動に参加できることを誇りに思う」と発言もしている。

 彼女に対し軍政は、2022年3月にナンさんがタイで治療中の父親の元に向かうため申請したパスポートの更新を拒否し、海外渡航を禁じた。ナンさんは父に会うことなく現地で亡くなったという。この事件を機に、ナンさんはモデルを引退することを発表し、「父を誇りに思うためにも医者に戻らなければならない」と医療活動を再開するとの決意を明らかにしていた。

 一方のティンザールさんは、東部シャン州ワンハイで6月に行われたシャン州進歩党スポークスマンの娘の結婚式に、同党の制服を着用して出席した。シャン州進歩党の武装部門は同州北部のモメイク地区で軍と衝突しており、敵対勢力の制服を着用して幹部の結婚式に出席したティンザールさんの写真が流布したことが、逮捕の直接のきっかけとなったとみられる。彼女もインスタグラムでは150万人のフォロワーを抱え、その影響力を危惧したのだろう。

芸能人ら140人超を指名手配

 ミャンマー軍政はクーデター直後から映画関係者や俳優、女優、歌手など芸能人の「口封じ」に躍起になっている。

 2019年4月8日には、著名なモデルで俳優のパイン・タコンさんがヤンゴン市内の母親宅にいるところを午前5時に急襲され、拘束された。同じ頃には著名コメディアンのザルガナルさんも拘束されている。いずれも反軍政の集会やデモに参加し、その様子がSNSなどにアップされて国内外に拡散されたことが「扇動罪」にあたるとみなされたという。

 軍政は著名人や芸能人、ジャーナリストなど140人以上を全国に指名手配している。指名手配書には有名女優のメイ・トー・カインさんの名前もある。リストアップされた著名人たちは国外に逃亡し逃げたり、地下に潜伏したり、国境付近で軍と戦闘状態にある少数民族武装組織と合流したりするなどして難を逃れているという。

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