戦力外「筒香嘉智」巨人が獲得しても「甘くない」現実 メジャーで露呈した「致命的欠陥」

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日本球界では引く手あまただが……

 それでも、11月でまだ31歳。日本復帰を選択すれば、張本勲氏がテレビ番組で「日本は今、12球団全部取るよ」と“引く手あまた”を強調したように、争奪戦が予想される。

 その有力候補に、前出のNPB監督経験者は、「まず古巣のDeNA。筒香とポジションが重なる選手が育ったとはいえ、球場が狭く、復活にはもってこいのチーム。パ・リーグでは本塁打不足に悩むオリックス、ロッテなども欲しい選手だろう」と予想した上で、「忘れてはいけない球団」として、巨人を挙げた。

「阿部の引退後、日本人の左の強打者が手薄。昨オフはFA補強を封印したが、今季2年連続でV逸なら、なりふり構っていられない。原全権監督が獲得に乗り出してくる可能性は十分にある。筒香も秋山のように古巣ではなく、心機一転を図れる球団は選ぶかもしれない」

 ただ、現在のNPBは「投高打低」の傾向が際立っている。平均球速も筒香がプレーしていた19年より今季は2キロ近くアップし、146キロに達する。「トラックマン」などの計測機器の活用で技術が進化し、スピードは年々右肩上がりで、来季はさらに上がることもあり得る。

「メジャーほどではないが、筒香にとって以前とは全く違うスピード感になっているだろう。戻ってきたとしても、いきなり以前のようにホームランが連発できるほど甘くないと思う。ここ3年はフルシーズン、レギュラーでプレーしてもいない。少なくとも最初は適応に苦労するはず」(同)

 米国での3年間でバッターとしての旬の時期が大きく失われた。マイナーのほかメキシカンリーグからのメジャー再挑戦もささやかれる中、日米のトップレベルでのプレーとなると過度な期待は禁物ということか。

津浦集(つうら・しゅう)
スポーツライター

デイリー新潮編集部

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