「FIREしても家事は死ぬまで続く」 作家・原田ひ香さんが「お金」「節約」をテーマに小説を書く理由

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買った瞬間メルカリに出品?

尾崎:特集の内容も時代に合わせて大きく変化しています。例えば、以前は「収納特集」が多くて「いかに詰め込むか!」という点に力を入れていました。でも最近は、「そもそもモノが少なければ暮らしやすいね」というトーンになってきています。よく言われることですが、モノを所有することに価値を感じなくなっている人が増えているのかもしれません。

原田:お金がない人ほどモノが多い、と言われることもありますもんね。シニア向けの断捨離記事を見ると「手放し方」で悩んでいる人が多い印象ですが、若い人はあっさり「これだけ捨てると部屋が広くなる」という見方をしているように思います。

『財布は踊る』でもメルカリで財布を売る話が出てきますが、やっぱりメルカリの登場も大きかったですね。最近は本を買った瞬間、すぐメルカリに出す人もいるんだとか。そして購入されるまでの間に読み切ってしまう。これだと積ん読になる心配はないですが、作家としては複雑な気持ちになります。

尾崎:家計がうまく回っている家は部屋もキレイな印象があります。「必要なモノだけを持つ」が自然にできている。逆に、身の丈に合わない生活をしている人や節約し過ぎて幸せじゃない人もいるでしょうし、落としどころが大切なのだと思います。

原田:お金を使わないことを突き詰めると、究極的には「死ぬ」とか「家族を持たない」に行きついてしまいます。無駄なものを全てなくす必要はないし、そんな人生はつまらないですもんね。高いものだったとしても買ってから長く使えばいいし、たまには海外旅行も行きたいですしね。そういう出費のために節約しているわけですから。

デイリー新潮編集部

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