大阪のセミが東京のセミより“うるさい”理由 あなたの街で一番聞こえるセミの声は?

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クマゼミは「人為的に広まった?」

 ところが、近年、“関西代表”だったクマゼミが関東にも進出するようになり、背景には地球温暖化の影響があると指摘する説も。そこで『怪虫ざんまい』『昆虫学者はやめられない』などのエッセイが人気の昆虫学者、小松貴さんに話を聞いてみると、

「たしかにその説明も聞きますね。でも私は、温暖化が原因ではなく、クマゼミは人為的に広まったんじゃないかと思っているんです。一時期、虫マニアが集まるネットの界隈でも話題になりましたが、関東地方に越してきたある関西出身者が、力強いクマゼミの声が聞けないのを寂しく思い、わざわざ何百匹か何千匹か、大量に捕まえてきて、野に放った。それが大繁殖していまに至るとか。あと、西日本でクマゼミに産卵された街路樹や電線などが人の手で東日本に運ばれ、これにより広まったという話もあります」

自由研究のテーマにぴったりな昆虫は?

 ところで、夏休みの終わりが徐々に近づき、子どもの「自由研究どうしよう」という悲鳴に慌てふためくご家庭も多いのではないだろうか。宿題に出遅れた子どもたちにとって格好の研究材料となるのが、ツクツクボウシだ。

 ツクツクボウシが現れるのは、他のセミの声が小さくなってくる8月後半。セミといえば夏というイメージだが、同じ環境に生きるセミでも出現する時期は微妙にずれており、ツクツクボウシは晩夏から初秋、場合によっては秋真っ盛りのころまで鳴き続けることで知られている。

 ツクツクホウシに限らず、夏の終わりになるとコオロギやアオマツムシなどの「秋の鳴く虫」や、夏のあいだ山で暮らしたアキアカネなどのトンボも成熟して町に降りてくるので、真夏とは違った虫を観察することもできる。

 この時期になるとセミたちもだいぶ弱ってくるため案外捕まえやすく、自由研究のテーマとしてもぴったりと言えるだろう。

デイリー新潮編集部

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