オズワルド伊藤、蛙亭イワクラの交際発覚で考える芸人同士の恋愛の行方

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女性芸人にしてみれば「あり」?

 これに対し、女性芸人が男性芸人に恋愛感情を持つことはそれほど珍しくはないようだ。ゆりやんレトリィバァや尼神インターの誠子などは、一時期は具体的な名前を出して身近な男性芸人に恋をしていることを公言していた。

 女性芸人はお笑いが好きで業界に入っているため、面白い芸人に対しては無条件で尊敬の念を持っている。同じ舞台に立っていると、経験豊富な男性芸人に笑いの面で助けられる機会も多い。舞台上では厳しいイジリをすることもあるが裏では紳士的で優しい、といった男性芸人の「ギャップ」に触れることもある。そういった経験を重ねて、女性芸人は特定の男性芸人に好意を持ったり、恋愛感情を抱いたりすることがあるのだという。

 夫婦漫才のように実際の夫婦がコンビとして活動をする場合には、仕事とプライベートを切り分けられないストレスから、関係が維持できなくなることも多い。鳳啓助・京唄子、正司敏江・玲児などは離婚してしまった。ただし、宮川大助・花子、かつみ・さゆりのように、長く夫婦関係を続けられるカップルもいる。

 伊藤とイワクラのように現役の売れっ子芸人同士の熱愛では、なだぎ武と友近のケースが有名だ。彼らはそれぞれがピン芸人として活躍しながら交際を続けていた上に、2人揃って「ディラン&キャサリン」というキャラクターを演じることもあった。舞台上では息の合ったかけ合いを見せて仲睦まじく見えた2人だったが、結局は破局してしまった。

 一方、最近では、アキナの山名文和と吉本新喜劇の宇都宮まきが2021年に結婚を発表した。2022年には第一子も誕生した。山名も宇都宮も関西を拠点に活動する売れっ子芸人同士ではあるが、それぞれ活躍するフィールドが微妙に違うため、仕事上のライバル関係になることがなく、プライベートとの切り分けがしやすいという面はあったのかもしれない。

 歴史の上では芸人カップルにはさまざまな形があるが、結局のところ、2人がどういう関係になっていくのかは本人たちの気持ち次第である。仕事もプライベートも充実している伊藤とイワクラが今後もお笑い界で活躍することを期待したい。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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