「死に物狂いで自民党議員を応援」元統一教会信者が証言 関係が深い現役国会議員は?

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「安倍氏の応援」が重要

「実は、私も統一教会系団体から選挙で推薦を受けた経験がありまして……」

 と重い口を開くのは、さる元国会議員である。ここ数回の国政選挙で教団の支援を受けている議員はいるが、自分もその一人だったというのだ。

「推薦を受けるに当たっては団体のトップと面談をします。そこから次のステップまで進むには、二つの条件を満たす必要がある。これまで不倫のスキャンダルがないこと、金銭トラブルを起こしていないこと。それに加えて、安倍元総理の応援している候補、という三つ目の条件がそろえば支援獲得は“鉄板”になります」

 やはり「安倍印」であることは、統一教会サイドにとって特別な重みを持つようである。

研修会への参加を要請

 その条件を満たしたとしても、先はまだある。

 元国会議員が続ける。

「選挙の直前になると、研修会への参加を要請されます。これは泊まりがけで統一教会系の施設へ行き、教団の教義などを学ぶ、といったもの。自分の場合は2泊で、妻も同伴しました」

 いわゆる“3日間研修”だ。研修会では学者の講義を受け、他にも、ビデオ学習の時間が設けられたという。

「2本ありまして、1本は勝共連合と自民党の歴史。これまで両者が手を携え、いかに共産主義勢力と戦ってきたか、というもので、その中では、文鮮明と岸さんとの関係にも言及されていました。もう1本は、紀元前からの原始キリスト教の誕生の話です。アダムとエヴァが禁断の実を食べた話から始まり、エヴァの浮気、カインとアベルの兄弟げんかの果ての殺人の物語などが解説され、不和や戦争の起点となった不倫は絶対にいけないということが繰り返し述べられるのです」

 こうして、晴れて推薦を得られると、運動員などが派遣される。やはり彼らの働きは格別だったという。

 これら過去から現在にわたる自民党議員への選挙支援の実態について、統一教会に質問してみたところ、

「そのような事実はありません」

 安倍事務所にも尋ねたが、回答はいただけなかった。

 また現職の政治家からは、

「資料が手元にないのでわかりません」(麻生事務所)

「会合冒頭でごあいさつをさせていただきました」(萩生田事務所)

 などと回答が返ってきた。

 想像以上に根が深い、自民党と統一教会との関係。

 それが凶行の引き金となってしまったのだから、あまりにも不幸な事件というしかない。

 前編(「文尊師は誠実な男」 岸信介が統一教会トップを賞賛した“異様”な機密文書)を読む。

週刊新潮 2022年7月28日号掲載

特集「『安倍元総理暗殺』激震収まらず 」より

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