「幽☆遊☆白書」キャスト発表、なぜ「少年マンガの実写化」は炎上する? 「ヤンキーマンガ」「少女マンガ」が許される理由

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「ゴールデンカムイ」もどうなる? 実写化ビジネスで切り捨てられがちな俳優の葛藤

 マンガの実写化が進む理由は二つあるようだ。ファン層の厚さからヒットが見込めるということ、即ちDVDなど二次利用の利益にもつながる点。さらに、日本の人気コンテンツとしての海外需要という点。ある程度のヒットが見込めるならば、人気俳優にも声はかけやすいし事務所側も承諾しやすい。制作者・スポンサー・事務所にとって三方良しなのだろう。今年は「ゴールデンカムイ」実写化が発表され、やはり物議を醸した。先の法則で言えば、舞台は日本でファンタジー要素が少ない作品ではあるものの、キャストを含めた世界観の再現については厳しい目で見られるはずだ。が、注目度が高いのは間違いない。

 実写化ビジネスの巨額な利益の前では、既存ファンや俳優の葛藤などちっぽけだと切り捨てられてしまうのか。よく公式発表前なのに、「この人だったら見ない」などと勝手な予想で過剰反応を起こす人もいるが、幽白の反応を見る限り、最も割を食ったのは俳優たちかもしれない。主演の北村さんらのコメントには、プレッシャーを感じているのがうかがえる。彼らのためにも、NETFLIXならではの熱量と完成度を期待したい。

 なお幽白の連載終了後、冨樫義博先生が配布したという「ヨシりんでポン!」という伝説の同人誌がある。幽白はドラマであり、キャラとは全く違う人柄の役者たちが演じていたというストーリーでファンを騒然とさせた。そう考えると今回の実写化は、原作よりも裏設定をなぞっているともいえる。これは原作ではなく同人誌の再現、そう考えていた方が俳優もファンも余計な不安を抱えずに済むのかもしれない、と蔵馬推しの筆者は思うばかりである。

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