NMB48本郷柚巴、「胸はコンプレックスでした」 夢を叶えた“グラビア解禁1年半”の軌跡

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コンプレックスだった「胸」

 グラビアは胸の大きさが武器となり、自信につながる数少ない場所だ。だが、普通は好奇の目で見られ、服装にも制限がかかり、運動の邪魔になる厄介もの……そう語るグラビアの子たちは少なくない。この仕事をする以前は大きな胸がずっとコンプレックスだったという声も幾度となく聞いた。

 本郷も例外ではない。過去には、グラビアに出ることが嫌だと話していた時期もあった。

「メンバーからずっと胸が大きいと言われていて、私からしたらそれが恥ずかしくて、めちゃくちゃ気にしていました。当時はすごくコンプレックスに感じてたんです」

「でも高校卒業するタイミングで、マネージャーさんから『グラビアをしてほしいって言ったらやってくれる?』と聞いてもらえて、『お願いします』と答えました。同じNMBで後輩の上西怜ちゃんがグラビアをやることで自信をつけている姿を見ていたので、もしグラビアに挑戦して自信がつくなら続けたいし、評価がなかったし、ちょっと違うなと思ったらやめようと思っていました」

 NMB48を含めた48グループでは18歳になってからでないと水着グラビアをしないという独自のルールがある。ただグラビア解禁前から、本郷のスタイルの良さは一部ファンの間で話題となり、その評判はグラビアを担当する各雑誌の編集者の耳にも届いていた。

 本郷が最初に水着となったのは2021年4月発売の「BUBUKA」。グラビア撮影を行うことは、4日前に本郷へ伝えられた。

「メンバーからグラビアの撮影が入る時は早くても1週間前とは聞いてました。でも4日前に急に『BUBUKAの撮影が入ります』と言われたときには『えっ、グラビアですか』ともう一回聞き直して(笑)」

 準備時間は短かったが、プチ断食を敢行し、グラビア撮影に臨んだ。ファンの目に初めてビキニ姿が公開されると、その圧倒的なスタイルの良さは瞬く間に評判となり、雑誌のグラビアのオファーが次々に舞い込んだ。

 さらに本郷をスターダムにのし上げたのが『ヤングマガジン』だった。数々のグラビアアイドルを育ててきた老舗漫画誌の表紙を2021年8月に飾ると、一気に全国的な注目を浴びた。

「ヤングマガジンさんで初登場で初ソロ表紙をするっていうのを、撮影の現場で聞かされたんですよ。私も雑誌の表紙をやっていいんだって、そこからやっぱ少しずつではありますけど、自信がつきました」

 初表紙の評判の高さを受け、ヤングマガジンは11月に異例の2週連続の表紙に本郷を起用した。その後も各誌の表紙を飾るなど、快進撃は2022年の現在も続いている。グラビアを始める前は3万人だったTwitterのフォロワーは今では10万人を超え、NMBのメンバーの中でも5位につけている。

 グラビアの魔法はコンプレックスだった胸を魅力へと変え、本郷をシンデレラにした。

次なる目標は

 6月29日に発売されたファースト写真集「美しい果実」(講談社)は7/11付のオリコンの写真集ランキングで週間1位を獲得し、重版も決まった。

 3月の冬の北海道で撮影された写真集では、犬ぞりや名前にちなんだゆず風呂に入るショットも収められるなど、19歳の今の本郷の魅力が詰め込まれている。

 写真集を作るにあたっては、NMBのキャプテンを務め、グラビアに詳しい小嶋花梨にアドバイスをもらったという。

「小嶋花梨ちゃんには『一枚の写真にも悔いのない、納得いく写真集を撮ってきな』と背中を押されました。出来上がった写真集を見せたときも、私が12歳の頃からずっと見てくれてるので、『ゆず、こんなふうな大人っぽい表情ができるようになったんだ』って素直に成長を喜んでくれました」

 写真集については、何より長年応援してくれたファンに見てほしいと語る。特にNMBの同期で、2017年に卒業した西仲七海は、今でも一番の本郷のファンだ。

「誰よりも私のファンでいてくれてます。私がヤングマガジンさんで表紙を飾ったときも、写真集を出すとなったときも一番に連絡してきてくれて、私以上に喜んでくれました。連絡くれるときには『いつまでたっても、七海の推しメンはゆずちゃんやから」って書いてくれる。その言葉に何度も助けられています」

 人気の高まりもあり、NMB48の26thシングル「恋と愛のその間には」では、念願だったシングルで初選抜にも選ばれた。最近では、グラビアを見てファンになり、本郷目当てでNMBのイベントに来るファンも増えた。目下の悩みはグラビアで自分のファンになった人を、どうやってNMBのファンに変えていくかだ。

「ただ、自分が出すぎない方がいいのかなという思いがめちゃくちゃあって。出すぎると、他のメンバーのファンの方に『何で、この子ずっと前に出るんだ』って思われるかもしれないって考えちゃって。周りの目を気にしやすいんです。ちょっと気を使いすぎかもしれないんですけど」

 まだまだ遠慮もあるが、それでも意識は変わってきている。そう感じられたのは、本郷と同じくグラビアで活躍する上西怜から、雑誌でグラビアでのライバルとして名前を挙げられていると話を振ったときだ。

「私がまだ表紙を飾っていない雑誌で、上西怜ちゃんが表紙を飾ったら、『ここの雑誌の表紙飾ったことないのに』って悔しくなります(笑)。でも怜ちゃんも、同じことを思っているはず。最近、ライバル視するメンバーがいなかったけれど、グラビアを始めたことで改めてライバルができました。怜ちゃんとはお互い切磋琢磨し合って、グループを盛り上げていけたらいいなと思ってます」

 2021年に掲げた「シングル選抜」「写真集発売」という夢はすでに叶った。次の夢はなんだろうか。

「最近ラジオの仕事をさせていただく機会がめちゃくちゃ多くなったので、ラジオのパーソナリティを目指したいです。NMBの川上千尋さんがこの間、オールナイトニッポンでパーソナリティされていて、それを聞いたときにうらやましかった。いつかはできるように頑張りたい」

 ゆずは寒さに強く、そして実をつけるまで時間がかかる植物といわれる。その花言葉「健康美」にピッタリの本郷も、長く陽の目を見ない日々を耐え、今やっと実をつけようとしている。

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