安倍元首相暗殺でひんしゅくを買った奈良県警の会見 県警本部長の更迭は不可避、警視総監・警察庁長官も交代が既定路線に

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北村滋氏に見いだされた鬼塚本部長

 鬼塚本部長は今年3月に奈良に着任したばかりだった。その横顔についても少し紹介しておこう。

「福岡高校から九州大法学部を経て警察庁に入庁しました。内閣情報調査室に勤務した時に当時のトップ・北村滋情報官に見いだされ、北村氏がNSC(国家安全保障局)に転じる際にこれに従いました。北村氏の辞職後ようやく警察庁に戻ってきて、同期と同じようにそろそろ地方の本部長をということで回ってきたのが奈良だったのです」(警察庁関係者)

 北村氏は安倍氏の懐刀、官邸官僚として名を馳せた人物だ。その北村氏に見いだされた鬼塚本部長としては安倍氏への思いも浅からぬものがあったに違いない。

「鬼塚本部長が”27年余りの警察官人生で~”という言葉を使っていたのを見て、この事件の捜査や検証がある程度落ち着いたところでの更迭は避けられないだろうと感じました。警察トップもそのように考えているということを踏まえての発言とも言えるでしょう」(同)

 他方、安倍氏が首相時代に秘書官を務めていたのが現在、警視総監を務める大石吉彦氏だ。今回の警備実施については、警視庁警備部警護課からSPが1人派遣されている。

警視総監、警察庁長官人事は?

「元々、大石氏は今年秋に勇退が取り沙汰されていました。ただ、今回の件でそれが既定路線になったと取り沙汰されています」(先の記者)

 同様に中村格警察庁長官もほぼ同じ時期に交代が噂されていた。

「中村長官の場合は同期の露木康浩次長にバトンを継ぐことが確定的です。同期で年齢も同じなので、中村氏が長くやりすぎると露木氏の任期が短くなってしまうこともあり、1年半程度で交代すると見られてきました。中村氏が長官になったのは昨年9月で、1年半ということなら任期はもう少しあるわけですが、今回の一件を受けてそれが少し早まる可能性が出てきたということです」(同)

 警視総監・警察庁長官ともに表向きには引責という形は取らないようだが、今回の件が警察トップの人事に波及するほどのインパクトがあったことは間違いない。

デイリー新潮編集部

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