セブン-イレブンは300円超え「明太子」 コンビニのおにぎりが今、変化しているワケ

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 かねてより囁かれてきた「コンビニのおにぎりは具が少ない」という不満に応えたのか――。セブン-イレブンが6月末より売り出した、巨大な具のおにぎりが話題を呼んでいる。一方ローソンはブランド米を用いた新シリーズを7月からスタート。コンビニおにぎりにいま、何が起きているのか。

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 6月28日から発売された「明太子おむすび」(税抜300円)と「ベーコンエッグおむすび」(250円)が注目をあつめている。どちらも具を包む従来のおにぎりとは異なり、巨大な具がご飯の上に“乗っている”商品。コンビニおにぎりにしては高価格だが、そのインパクトから売れ行きは好調なようだ。

 同じタイミングでローソンが打ち出すのは「日本おこめぐり」というおにぎりシリーズだ。7月5日から来年5月にかけ、2カ月に1度のペースで日本各地のブランド米を用いたおにぎりを発売するという企画で、第一弾として北海道産の「ふっくりんこ」を使った「塩にぎり」(100円)と「焼鮭ほぐし大葉味噌」(148円)が発売中。今後は山形県産の「雪若丸」、石川県産の「ひゃくまん穀」が予定されている。

 1年間で約60億個、コロナ禍の消費減でも約50億個が売れたとされるコンビニおにぎりは、日本人の国民食といっても過言ではない。マーケティングアナリストの渡辺広明氏は「コンビニおにぎりは時々の世相を反映してきた商品といえるでしょう」という。

「たとえば、2010年代のはじめに登場した『麦おにぎり』です。さきがけはナチュラルローソンの『もち麦入りおにぎり』シリーズですが、いまではセブンやファミリーマートでも麦おにぎりが販売されています。こうした健康・美意識の高いおにぎりが定着した背景には、女性の社会進出がありました。00年代まではコンビニ利用客のうち女性が占める割合は3割でしたが、現在では5割弱が女性となった。また、この頃には50歳以上の利用が4割を占めるようになってきましたから、ヘルシーなシニア向けの訴求もあったはずです」

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