落語史上初、歌舞伎とのコラボが 「春風亭小朝」「中村芝翫」が共演

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 皇居や最高裁判所からほど近い、東京・隼町の国立劇場が建て替えとなる。閉場は来年10月とまだ先だが、この秋から特別企画「初代国立劇場さよなら公演」がスタートするという。そのひとつが落語家・春風亭小朝(67)と歌舞伎役者の中村芝翫(56)が競演する「歌舞伎公演“歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”」だ。

「落語史上、初めての取り組みですよ。夢企画と言ってもいいでしょうね」

 忠臣蔵にちなんだ噺(はなし)を含む2席に加え、歌舞伎「仮名手本(かなでほん)忠臣蔵」を楽しめると、当の小朝も興奮気味だ。

「去年のいま頃、国立劇場に“歌舞伎と落語のコラボをやりたい”と提案したところ、先方でも多ジャンルの公演を考えており、うまく進んでさよなら公演の11月に決まった。時季的に忠臣蔵をやることになりましたが、落語と歌舞伎が同じ舞台で一緒に上演されるのは歴史的な出来事ではないでしょうか」

小朝が披露するのは?

 国立劇場の開場は、日本が高度成長期の真っ只中にあった昭和41年。大劇場は歌舞伎の上演を主として設置され、同54年には、その真裏に落語や演芸の場として国立演芸場が完成した。

 ともに老朽化が激しいが、小朝にとっては「どちらも思い出深い場所」だそうだ。

「といっても、国立劇場でも何度か独演会をやりましたし、そもそも私が師匠(五代目春風亭柳朝)のもとに入門した時には“勉強になるから歌舞伎を見た方がいい”と言われたもの。初めて見たのは二代目尾上松緑さんの『天竺徳兵衛』でしたが、これも国立劇場で、大掛かりな仕掛けには衝撃を受けました。一方の国立演芸場のこけら落とし公演にも出演しましたし、師匠と初めての親子会もここが会場だったんですよ」

 小朝が披露するのは、赤穂浪士が吉良邸への討ち入りを決意した松の廊下の刃傷事件を扱う噺と、最下層の役者が大芝居小屋の座頭(ざがしら)に上り詰める出世噺「中村仲蔵」を予定している。

「1本目の噺は選定中ですが、2本目の『中村仲蔵』の噺の中には仲蔵が『仮名手本忠臣蔵』に出演して、定九郎という役を演じる場面が登場します。当然、中村芝翫さんが主演する『仮名手本忠臣蔵』にも定九郎は出てくるので、この役を演じる俳優さんとはいろいろ相談しておくつもり」

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