KinKi Kidsとジャニー喜多川氏を結ぶ「愛」 デビュー25周年で語られた「3人」の現在

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ジャニーズのど真ん中をいってるわけじゃない

 実は、堂本剛は「僕も光一も、ジャニーズのど真ん中をいってるわけじゃないから」(*4)と自分たちを認識しており、「もともとKinKi Kidsがジャニーズ事務所の中で浮いている」(*5)とまで言っている。

 ではアイドルという言葉と照らし合わせるとどうなのか。堂本光一は自分たちの楽曲に関して、次のように語っている。

「そんなに明るい曲がない(苦笑)。明るくなりきれないというか、マイナー調というか、暗くなっちゃう」(*4)

「KinKi Kidsというグループは、幸せな歌を唄ってても、心中ソングだってよく言われるんですよ(笑)」(*5)

 そんな彼らの“暗さ”に関しては、自分たちはもちろんのこと、ジャニー氏も認識していたようで、堂本剛は「もともと2人とも決して明るい性格ではないし、社交性が高いわけでもないから。ジャニーさんからも『なんでそんなに暗いの?』ってよく言われていたし」と語っている。(*5)

 とはいえ、その暗さも含めて彼らの魅力であるはずだ。何より、90年代にジャニーズ事務所初めてのミリオンヒットを飛ばし、その後もギネス記録を含め圧倒的なセールス記録を更新し続けてきた。加えてジャニー氏の愛を存分に享受する身でありながら、どうして自分たちをジャニーズの王道ではないと言うのだろうか。

ジャニーさん自身が嫌がってた

 堂本剛の直近のインタビューにおけるジャニー氏に関する発言を見てみよう(*3・以下同)。

「世間には“ジャニーズってこうだよね”っていうイメージがあると思いますけど、その決めつけをジャニーさん自身が嫌がってた節はすごくある」

 そして、「決めつけることでアイドルの可能性を窮屈にもしかねない」と剛は加えている。

 ジャニー氏だけでなく、ともに事務所を大きくしてきた姉のメリー喜多川氏の思いも汲みながら「きっとジャニーズっていうものが、いつしか想像と離れたものになってきた部分が多少あったんでしょうかね」とも推察する。

 さらに、成功を収めたあとも、そこに安住せずに、常に新しいものを求め続けた創業者の心情をこう慮って語っている。

「人っていうのは進化したいんですよね。時代がどんどん変わっていって、はやりも変わっていって、そこに順応はしていくねんけど、価値観だけは凝り固まっていて、なかなか変わらない。それをどうにかしたいなと思う部分があったんじゃないかな」

 ジャニー氏の思いを汲むことは、世間に定着した“ジャニーズっぽい”という価値観に迎合しないこと。KinKi Kidsは、そういった固定観念から常に逸脱する存在であることを運命づけられた2人なのかもしれない。

 別の取材で堂本剛は「KinKi Kidsって、ジャニーさんが事務所の中でも初めてのチャレンジをいろいろさせたがったデュオでもあるんです」(*5)と明かしている。

 関西からのデビュー、レコード会社の設立、ギネス記録など、今では当たり前になっているものの、実はKinKi Kidsから始まったというジャニーズ史上の画期的な出来事は数多い。

 さらに剛はKinKi Kidsのことを「ジャニーさんのある種の理想を託された」(*4)とも語っている。つまり、堂本剛は“ジャニーズ事務所の王道であることに自信はないが、ジャニー喜多川の理想を託されたことには自負がある”のだろう。

 では、実のところ、KinKi Kidsに限らず、ジャニー氏自身が理想とするタレント像とはどのようなものだったのだろうか?

 堂本光一はこう語っている。

「ジャニーさんがやってきたことって、『自己プロデュースができるタレントを作る』ってことなんですよ。自分の見せ方は自分で考える。誰にもプロデュースさせない。そういうタレントを作ろうとする人だから」(*3)

 堂本剛はこうだ。

「アイドルでありながらアーティストであるという形を生み出したい気持ちがジャニーさんからにじみ出てました」(*3)
 プロデューサーであり、アーティスト。

 実際、KinKi Kidsの2人はデビュー間もない頃、ジャニー氏に「君たちは2人ともプロデューサーだからね」と言われたという。(*1)

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