「井上尚弥vs那須川天心」実現の可能性は? 最大の障壁は「所属ジムの事情」

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「わざわざ潰し合うようなことはしない」

 尚弥vs天心――これまた夢のマッチではないか。

「いや、それはないですね」

 なぜなのか。

「天心君はかねて、村田諒太ら精鋭を擁する帝拳ジムに通ってトレーニングを積んできましたから、帝拳入りするでしょう。一方、尚弥は大橋ジムですが、プロモートは帝拳の本田会長も深く関わっています。つまり二人とも陣営の大事なスターで、わざわざ潰し合うようなことはしません」

 だが、同じスーパーバンタム級になる可能性は高い。そこでやっかいなことが。

「天賦の才に加え、準備も万端な天心君は、本来ならサクッと世界王者になりそうなものですが、尚弥はスーパーバンタム級でも4団体を統一し、史上初の“2階級4団体統一”を目指しているんです」

 つまり二人で同じ階級のベルトを仲良く分け合って……とはいかないのだ。

「いわば、天心君の進む先に十字路があり、そこをまもなく“尚弥”というダンプカーが通り過ぎる状況。天心君はダンプが来る前に急いで渡るか、ダンプが通り過ぎるのを待つか……」

週刊新潮 2022年6月30日号掲載

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