ついに「岸田vs.安倍」の火種か 安倍元総理“お気に入り”の防衛次官の退任を決定

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逆らうなら…

「退任に至る官邸の戦略は、狡猾でした」

 とその内幕を述べるのは、防衛省関係者。

「交渉に当たったのは、警察庁長官を務めた、栗生(くりゅう)俊一・内閣官房副長官。彼は反対する岸大臣サイドに、もし逆らうなら、大臣の交代もあるぞ、と仄(ほの)めかしながら説得を続けました」

 大臣は体調に不安を抱え、時に車椅子を使用する身。交代の2文字は脅しになっただろう。

「それでも大臣は続投を主張しましたが、栗生さんは裏で“総理に留任を3度もお願いしたが、首を縦に振らなかった”と岸田さんの名を使って次官を説得し、本人の受諾を取り付けた。そしてその事実をもって、大臣や関係各所に改めて退任をのませたんです」(同)

岸田官邸への怒りが

 安倍氏が岸田総理に直談判したことについても、

「副長官は次官が裏工作をしていると勘繰ったようで、島田さんサイドに“この界隈で今後も仕事をしようとするなら、余計なことをするな”とドヤしつけたそう。安倍さんの周辺では、岸田官邸への怒りが渦巻いています」(同)

 前出・伊藤氏によれば、

「選挙での勝利が見え、岸田総理は今後の政局に向けて動き出しているのでしょう。これまでほど安倍さんに配慮することはない、と舵を切ったのではないか。今後も、自分と政策的な軸足のズレがある人物を、したたかに外していく可能性はあるでしょうね」

 柔和な裏に、「悪代官」の顔も見え始めた総理。次のターゲットは果たして、誰か。

週刊新潮 2022年6月30日号掲載

特集「脛にキズ 『参院選の俗物図鑑』」より

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