フジ「永尾亜子」、TBS「高野貴裕」アナも アナウンサーが広報・宣伝部で重宝される3つの理由

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進行力、発信力、そして…

 第1にドラマなどの制作発表会見の司会・進行が、自分で出来てしまうから。

 広報・宣伝担当者がドラマの制作発表会見を行う場合、通常は局内のアナに司会・進行を頼むケースがほとんど。すると、その依頼や打ち合わせに時間や手間がかかる。自分で司会・進行をやってしまえば、時間と手間が省けるというわけだ。

 第2の理由はアナには発信力があるから。アナも広報・宣伝も「伝える仕事」という点で一緒。アナには番組の面白さを伝える力がある。プレゼン能力にも長けている。

 第3の理由は、放送記者にとって、画面で観ていたアナは親しみやすい存在だから。

 放送記者とは、一般紙とスポーツ紙が加盟する放送記者クラブの記者のこと。民放の広報・宣伝担当者の役割の多くは「記者クラブの記者にいかにたくさん記事を書かせるか」なのである。このため、放送記者にすぐに親しまれて、「この番組の試写を見ないか」と言えたら、大いにプラスなのだ。

 自分自身の経験からすると、アナ出身の広報・宣伝担当者は人当たりの良い人ばかり。さまざまな共演者、スタッフと一緒に仕事をしてきたから、人付き合いに慣れているのだろう。

 アナから広報・宣伝セクションへの異動が多い理由はまだある。アナ出身者は社内行政面でも有利なのだ。

 広報・宣伝担当者が何をPRするかというと、言うまでもなく社内の事業と番組。アナは事業と番組のスタッフの多くと一緒に仕事をした経験があるので、堅苦しい挨拶抜きで本題の打ち合わせが始められる。営業や経理出身の広報・宣伝担当者だったら、そうはいかない。

 とはいえ、アナは職人意識が強いので、広報・宣伝セクションへ異動した直後、退職する人もいる。前出のTBS・林みなほさん、フジの岩瀬惠子さん、宮瀬茉祐子さんらがそう。

 異動を受け入れて広報・宣伝の仕事をするのが正しいのか、それとも退社しフリーになるべきなのか。第三者には判断できない。本人すら選択を迷うだろう。もはや生き方の問題だからだ。

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