遺骨をダイヤモンドに加工? ベッド形のひつぎ? 進化する「お弔いグッズ」の最前線

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遺骨をダイヤモンドに加工…お値段は?

 6月13日から2日間にわたって葬祭業界の展示会「フューネラルビジネスフェア2022」が開催された。コロナ禍により、通夜を行わない一日葬やオンライン葬儀など、イレギュラーなお弔いが浸透したが、業界はすでに“コロナ以後”を見据え、さまざまな工夫を凝らしている。進化する“お弔い”事情の最前線とは――。

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 まずはひつぎの進化から。“ベッド形のひつぎ”である「ラストベッド」は、眠っているかのような故人と心ゆくまで最後にふれあい、出棺時には通常のお棺形になるという商品だ。最期まで故人に寄り添いたいというニーズに合致したのか、”家族葬で選びたいひつぎNo.1”なのだという。

 お次は、遺骨をダイヤモンドにする、という驚きの商品。火葬後の遺骨に含まれる炭素に高温高圧をかけることで、合成ダイヤモンドを製造するのだ。その輝きは天然ものとまったく変わらないとか。400グラムの遺骨で、0.2~1カラットまで作れる。お値段は約53万~273万円。お墓のかわりに所望する方も増えているそう。

葬儀後もオンラインでお焼香が可能

 そもそも人が亡くなったら、病院や警察、あるいは斎場などに運ばないといけない。実はこの作業が一苦労で、通常のストレッチャーはエレベーターに乗せられない。そこで、“ヨコがダメならタテに”という発想の転換で生まれたストレッチャーも展示された。小回りの利くすぐれものだ。

 コロナ禍では、葬儀の模様を中継する“オンライン葬儀”も生まれたが、需要自体は、実はそれほど多くないという。たしかにオンラインでお経を聞いても、どこかもどかしい。そこでメーカーが目をつけたのは“その後”のこと。葬儀の後でも、ネット上の葬儀ページに行けば最大60日ほど、お焼香をしたり、メッセージを送ったり、お香典をクレジット決済できたりするサービスまで生まれているのである。

 死とどう向き合うのか――。誰もが向き合わざるを得ないこの命題への答えも多様化しているのかもしれない。

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