BiSH・モモコグミカンパニーがエゴサで直面した“悪魔の言葉” 彼女を救ったメンバーの反応とは?

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悪魔の言葉は、口に出すと“ただの文字列”だった

 コロナ禍に入った頃、私はSNSとの距離感がうまく保てなくなっていた。ライブも思うようにできずに表に出る機会を失うと同時に、モモコグミカンパニーとしての自分を目の当たりにするのもスマホ画面の中だけになってしまったのだ。だからその分、私は暇さえあればエゴサーチをして自分の存在を確かめるようになっていた。

 そんな中、ある投稿が目に留まった。確か、「BiSHは好きだけど、モモコグミカンパニーだけは好きになれない。なんであの子がいるの」というような内容だった。投稿者は私のアカウントをフォローすらしていなかったし、気軽に投稿したんだと思う。そのメッセージは私宛に故意に送られたものではなかったし、今思えば自分から落ち込みにいっているようなものだった。しかし、私は当時自分の存在価値を疑ってしまうほどその投稿に打ちのめされてしまった。

 数日後、楽屋での雑談中にさりげなくそのツイートの内容をメンバーに伝えてみた。すると意外なことにメンバーから返ってきたのは笑い声だった。声に出してみるとなかなか滑稽で、気が付くと私も一緒に笑っていた。私を打ちのめしたネット上の悪魔の言葉は、現実世界に持ち出してみるとただの文字列でしかなく、その上180度カタチを変えた“笑い”に昇華されていたのだ。

 私は一体誰におびえていたのだろう。何に傷ついていたのだろう。もう、思い出すこともできなくなっていた。

モモコグミカンパニー
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。今年3月に初の小説『御伽の国のみくる』を上梓。

デイリー新潮編集部

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