野球選手の妻たちが明かす「勝負レシピ」 疲労回復に効く「特製豚汁」、勝率が上がる秘伝のおかずのレシピとは

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栄養士直伝の「疲労回復ドリンク」

 5連投になる時には、アミノ酸の多い酢の物や、脂分を落とした豚肉で冷しゃぶを追加し、塩分不足の予防やミネラル補給のために、毎日濃いめの具だくさんみそ汁を作った。

 栄養士直伝「疲労回復ドリンク」も手作りした。ハチミツかオリゴ糖60グラム、レモン汁1個分、塩1~3グラム、水1リットル。熱中症予防にもいい。

 注意したいのは白砂糖を使わないこと。体を冷やし、血糖値を急上昇させるからだ。京子さんは普段からきび砂糖やハチミツ、アガベシロップなどを使う。塩もミネラル分が多い岩塩や沖縄の雪塩を使う。

 日本ハム時代も都内に住んでいた京子さんは、ホームの試合がある時は札幌に行き食事を作った。ただ遠征でシーズンの半分はホテルなどで食事する。そこで食べた物を報告してもらい、不足する栄養素を補充するメニューを考えた。

「遠征先で選手たちと飲むのはコミュニケーションが必要だからいいんですけど、ビュッフェなどで食べる時は野菜やタンパク質を意識して食べてね、とは言っていました。その頃は意識も高くなっていて、聞いてくれました」

 12年に横浜DeNAに移籍し17年に引退するが、初回の手術から約10年間現役生活を続けられた。

「料理がどれぐらい役立ったかはわかりません。でも選手にとっては、半年でも1年でも長く現役を続けるのは大きな願いです。だから一生懸命料理を続けてこられたのかなって。毎年、結婚記念日に、“ありがとう”という言葉が聞けるのが大きな励みになりました」

プロテイン入りアイス

こうして蓄積した栄養の知識が、いま父の背中を見て野球をするようになった小学校6年生の長男の食生活に役立っているという。長男は数年前まで食が細く、このままではケガをすると思った京子さんは、プロテイン入りのアイスクリームを考案。自身が代表取締役を務める会社で商品化するほどおいしくでき、息子の食欲もでてきた。引退後、家業の自動車教習所を継いだ林さんは、息子をつかず離れず見守っている。

 日本ハムで昨年は抑え中心だった杉浦稔大投手(30)は、今シーズン途中にBIGBOSSこと、新庄剛志監督に先発への再転向を指示され、すでに3勝を挙げている。

 杉浦さんといえば、13年のドラフト1位でヤクルトに入団するも、右の肩や肘のケガに泣かされ3年半で6勝止まり。17年に日本ハムに移籍するが、ケガによる戦線離脱は次第に減っていった。

 移籍した年、かつてモーニング娘。のメンバーで、当時テレビ東京アナウンサーだった紺野あさ美さん(35)と結婚した。そのあさ美さんが言う。

「料理だけでケガが治るわけではないし、トレーニングを手伝ってくださる方や多くの方々の助けがあっての結果。私がやってきたのは栄養のバランスが偏らないようにしたぐらいです」

 先発投手の場合、登板の数日前から炭水化物の摂取量を増やしていきエネルギーをためていく。「カーボローディング」である。

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