筋トレブームの火付け役が「1日15分しかしない」理由 60歳までに筋トレを始めるべき?

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 人生100年時代に我々の前に立ちはだかるもの、それは「諦(あきら)め」である――。NHKの人気番組「みんなで筋肉体操」。「筋肉は裏切らない」のフレーズでブームを起こした順天堂大学先任准教授の谷本道哉氏(49)が、「80歳の壁」を越えるための筋トレを指南する。あなたが何歳でも諦念は無用。

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〈あと5秒しかできません!〉

 NHKの「みんなで筋肉体操」に出演するなかで、私はさまざまな“筋トレ語録”を作ってきました。

 あと5秒もあると思うのではなく、あと5秒しかできないと考えると「つらさ」は「楽しみ」に変わり、筋トレを前向きに捉えることができるかもしれない。

〈明日の筋トレが今からもう待ち遠しいですよね〉

〈筋肉の嬉しい叫びが聞こえましたね〉

〈筋トレできつくなったときは「頑張るか、頑張れないか」ではありません。「頑張るか、超頑張るか」の二択で考えてください〉

 こうした前向きなパワーフレーズで、みなさんに自分の筋肉を追い込み切ってほしいですね。

「筋トレは義務ではなく権利」

 なぜ筋トレをするのか。そこには、できる限り筋肉を大きく発達させるため、あるいは健康寿命を長く保つため、といった目的が存在します。つまり私たちは、目的を達成するために、やりたくて筋トレをしているのです。そうであるならば、楽をしたいとか、サボりたいとか、本来そういう発想は出てこないはずです。

 これはなにも筋トレに限った話ではありません。どんなことでも前向きに捉えたほうが人生は豊かになると思うんです。例えば、終業1時間前に「まだ1時間も残っている」と考えるのと、「あと1時間しか仕事できない」と捉えるのとでは、仕事のはかどり方が違ってくるのではないでしょうか。

 そう考えると、「筋トレ観」は「人生観」につながっているといえるかもしれません。

 そして、筋トレは何歳になっても、始めるのに遅いということはありません。人生100年時代を生き抜くために、60歳、70歳、80歳、いくつになっても、その年齢にあった筋トレは可能です。しっかりと正しい筋トレをすれば、その分、必ず筋肉は成長します。

 それでは早速、正しい「筋トレ観」と「筋トレ術」を一緒に学んでいきましょう。その前に、筋トレに関する学びの力が駆動するパワーフレーズをもうひとつ。

〈もっと出し切ってもいいですよ。もっと高く上げてもいいですよ〉

 そう、筋トレは義務ではなく、私たちに与えられた権利なのです。

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