日テレ大改革で「編成局」「情報・制作局」が消えた! 他局に与える影響とは

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 来年開局70年を迎える日本テレビに大異変が巻き起こっている。6月1日に発令された人事で大幅な組織改革が行われ、なんと“編成局”が消えたという。テレビ局にとって編成局は、どんな番組をいつ放送するかを決定する重要な司令塔だ。それをなくした日テレの戦略とは?

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 言うまでもないが、編成局がなくなったからといって日テレが番組制作をやめるわけではない。日テレ関係者は言う。

「編成局がなくなったというのは、他局もビックリしています。日テレの“編成局”は“コンテンツ戦略局”に改称され、コンテンツ戦略本部という組織の下に置かれることになった。さらに、番組制作を担当する“情報・制作局”は、“コンテンツ制作局”と呼ばれるようになりました」

“戦略”“コンテンツ”という言葉が目立つが、むろんただ改称しただけではない。

「来年開局70年という節目を迎える日テレが、今後進むべき道、つまり未来のビジョンを提示した名称なのです」

 どういうことか。

「日テレは9年連続で個人視聴率3冠王を達成し、10年連続を目指しています。しかし、今後は地上波で放送されるテレビ番組以外にも力を入れていくというメッセージなのです」

 今月、新社長に就任する石澤顕氏(65)が配信などコンテンツビジネスを推進してきた人物であることは、デイリー新潮「日テレもフジも社長がたった1年で交代 対照的な新社長から見えてくる経営戦略の違い」(5月31日配信)で報じた。

過去最高の純利益

 日テレはドラマ「金田一少年の事件簿」をディズニープラスで世界配信したり、「はじめてのおつかい」を1話10分程度に再編集し、海外版「Old Enough!」としてNetflixに販売するなどしてきた。「Old Enough!」は190の国と地域で配信され、大評判となっている。そうした方針をさらに推し進めるということだろうか。

「日テレ社員に知らしめる意味もあると思います。これまでも日テレの番組制作担当者は、地上波に加えグループ会社のHulu用にスピンオフ的な番組も制作してきました。そうは言っても、やはり力を入れているのは地上波で、Huluは正直言ってオマケとしか考えていない社員も少なくありません。そうした考えを変えてもらうためにも、会社組織を大幅に変更し、部署名にも“コンテンツ”というワードを散りばめたのでしょう」

“戦略”のほうは?

「組織として危機感の表れかもしれません」

 日テレホールディングスは21年度決算で、前年度244億円だった純利益がほぼ倍増の474億円と、過去最高を記録した。その内訳は、地上波広告収入の増収だという。コロナ禍にもかかわらず、である。危機感などないのでは?

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