阪神、株主総会から見えた次期監督像 本命・岡田、対抗に藤川、大穴はイメチェンした「YouTuber」

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意外や関西と好相性の「オレ流」

 ダークホースは落合博満氏(68)だ。ロッテ選手時代に3度の三冠王、中日監督では8年間でリーグ優勝4度、日本一1度。名選手で、名監督。いずれの実績でも岡田、藤川両氏を凌駕する。「中日では勝つことがファンサービスと公言していた。一番、優勝が期待できる監督」(番記者)で、野村克也、星野仙一両監督(ともに故人)の前例から外部招聘にも支障はない。

 ネックは「オレ流」と呼ばれる独自スタイルか。現場主導の編成など、阪神のフロントが主導権を握る上では煙たい存在となる。中日監督時代に最高年俸3億7000万円とされ、腹心のコーチ陣の人件費も高額だったことも、「渋ちん」の阪神が二の足を踏む要素だ。

 その一方で、中日監督1年目の04年には「現有戦力を10%底上げすれば優勝できる」と補強に頼らず、有言実行で頂点に導いた。選手時代から「契約してくれるところがあるまでやる」が信条で、矢野監督のように「自分勝手」に辞めることはあり得ない。何より「勝ちさえすればいい」との姿勢は阪神ファンが今、最も求めているものだ。

 中日監督時代、メディアにはけが人の情報で箝口令を敷き、試合後の談話も素っ気なく、記者泣かせだった。スポーツ各紙が連日、阪神で1面を作るなど生活の中心にある関西で受け入れられるかかが問題だが、「中日を離れてからは関西のバラエティ番組に出演し、これまでにはなかった親しみやすさでイメージが変わった。YouTubeではスイーツを食べるプライベートを公開し、好々爺の一面も見せている。野村さん亡き後、テレビでは球界のご意見番。すんなりとなじむのでは」(番記者)。意外にもオレ流は関西と好相性との声は少なくない。

 3人以外に平田勝男2軍監督(62)の内部昇格や、落合氏以外のサプライズ人事はあるのか。コーチ陣の組閣から逆算すると早ければ晩夏、ペナントレースより先に監督レースに決着がつく。

デイリー新潮編集部

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