阪神、株主総会から見えた次期監督像 本命・岡田、対抗に藤川、大穴はイメチェンした「YouTuber」

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“次こそは生え抜き”との機運

 6月15日、阪急阪神ホールディングスの株主総会が大阪市内で開催された。2011年には「選手より監督やコーチを補強するべき」と真弓明信監督らの不信任案を突きつけるなど、株主と役員の問答は風物詩となっている。今年は、矢野燿大監督がキャンプ前日に、異例のシーズンいっぱいでの退任発表をしたことで、次期監督の人選への質問に注目が集まった。“物言う株主”とのやり取りから見えたものとは――。

 ある株主の質問に、番記者は固唾をのんだ。
「矢野監督がなぜ辞めると言ったのか。あんな自分勝手なことあらへんでしょ。次誰になるか気になるでしょ。そっちに話題持っていかれて、そんなもったいないことはない」

 答弁したのは監督人事でキーマンと目される谷本修オーナー代行だ。「17年ぶりの優勝を目指している中で、チーム(の選手)には優勝経験者がいません。新しい事業をやっているのと同じ。プロジェクトを2022年で完結したいという矢野監督の思いを受け止めた」と苦しい受け答えに終始。次期監督への手掛かりという意味では肩すかしに終わった。

 とはいえ、既に複数の次期監督の候補が挙がっているのは事実。本命視されるのは、前回リーグ優勝した05年に指揮を執った岡田彰布監督(64)だ。鉄壁のリリーフ陣「JFK」を構築した確かな手腕で、待望論は根強い。阪神OBは「金本、矢野と、ここ2代は選手時代に他チームから移籍してきた監督が続いた。OB会でも“次こそは生え抜き”との機運がある」と語る。

 猛虎フィーバーに沸いた1985年、その次の優勝は03年だった。今季優勝できなければ来季は同等の期間が空く。「結果を求めるならOBでは岡田しかいない」(同)

 球団には鳥谷敬氏(40)との橋渡しとの期待もある。「鳥谷は現役晩年に球団とけんか別れする形でロッテに移籍した。同じ早大の岡田監督ならコーチで呼び戻せる。下で帝王学を学び、数年後に監督になればいい」とのチーム関係者の言葉に、岡田再登板の信憑性が増す。

藤川氏は早くもその気

 20年の引退後、候補に急浮上してきたのが藤川球児氏(41)。「火の玉ストレート」を武器に日米通算245セーブを挙げた。15年には地元高知の独立リーグでもプレーした選手経験は群を抜く。解説者でも配球などの予想を的中させる「神解説」と賞賛を受け、理論には定評がある。コーチ未経験だが「今年のキャンプで即席指導した吉田(輝星=日本ハム)が中継ぎで輝きを取り戻した。投手の再生は見るべきものがある。タイガースでは一緒にプレーした投手陣からの人望も厚い。若く、チームに新風を吹き込むには最適な人選」(同)
 
 本人は早くもその気だ。自身のYouTubeチャンネルでは「なりたくなくてもなると思う。そんな気がしている」と語っている。プロでは阪神一筋を貫き、今も球団でスペシャルアシスタント(SA)を務め、谷本オーナー代行とも関係が深い。在阪の大物球界OBに「岡田ではなく、藤川でも驚きはない」と言わしめるほど対抗馬として存在感は十分だ。

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