年間千人超の子どもが失踪 「知らない人についていってはダメ」は逆効果?

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 下校途中に忽然と姿を消した大阪・熊取町の吉川友梨ちゃん(当時9歳)。それから19年という長い月日が流れたが、いまも日本では年間千人超の子どもが“消えている”。子を持つ親がとるべき防犯対策とは。

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 自宅までわずか約400メートルという場所で友梨さんがいなくなったのは、2003年5月20日のことだった。付近では不審な白い車両が目撃されており、何者かに連れ去られたとみて捜査が続けられている。

 彼女の両親とともに情報提供を呼び掛けているNPO法人「あいうえお」の郡山貴裕事務局長が言う。

「失踪して2~3年後にはお父さまがノイローゼのような状態になってしまったこともありました。ちょうどその頃、詐欺被害に遭っていたのです。本当に気の毒でなりません」

毎年1200人ほどの子供が…

 2008年、父親から約7400万円をだまし取った男が逮捕され、翌年、懲役9年の実刑判決を受けている。男は友梨さんを救出できるかのように装い、父親に金銭を4年半にわたり要求していた。藁にもすがる思いの父親は所有していた土地を売り、金を工面していた。

「先日、ビラ配りをした際にお母さまから“長い間ありがとうございます”と、こちらを気遣っていただきました。いまでは所轄の刑事さんもビラ配りに参加していて、友梨さんに“まだ探しているんだよ”というメッセージが伝わればいいなと思っています」(同)

 警察庁の統計によれば、2020年に行方不明になった9歳以下の子どもは1055人。過去5年を遡っても、毎年1200人程度の子どもが消え、警察に行方不明届が出されている。

 無論、そのすべてが事件や事故に巻き込まれたと断定はできないが、日本で「神隠し」のような事案が多発していることは事実だ。

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