林真理子氏も三谷幸喜氏も出身 「日芸と日大は別」という意識はなぜ生まれるのか

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“現場力”を高める授業

「日芸が第一志望校という学生もいる一方で、高校時代に文学や映画、演劇に目覚めてしまい、受験勉強に落ちこぼれて日芸に来たという学生も多かったですね。教授は『昔に比べ偏差値が上がった』と言っていましたが、受験偏差値よりサブカル偏差値が高い学生が一目置かれるような学校でした」(同・OB)

『大学図鑑!2022有名大学83校のすべてがわかる!』(ダイヤモンド社)で監修を務めたオバタカズユキ氏は、「日芸の特徴の一つとして、マスコミの現場で必要とされる人材を輩出してきたことが挙げられます」と言う。

「民放キー局の社員は東大を筆頭に有名大学の卒業生で占められていますが、番組の制作会社は日芸出身者が多い。出版社の社員には少ないけれど、フリーライターや編集プロダクションの社員は多い、というわけです。日芸の実践的なカリキュラムが、学生の“現場力”を高めたと言えるかもしれません」

ライバルの増加

 そんな日芸も、残念なことに最近では存在感を失いつつあるという。

「最も大きな理由は、マスコミ人気が下火になってきたからです。今の高校生にとって、マスコミは憧れの職業ではありません。となると、日芸のカリキュラムにも魅力を感じないわけです。意欲のある入学生が減ってきている。そのため日芸の人気も2000年代から長期漸減傾向を示しているというのが実情でしょう」(同・オバタ氏)

 更に、ライバル校が増えてきたのも大きいという。

「かつて“クリエイティブな仕事に就きたい”という受験生の受け皿になる大学は、日芸しかなかったと言っても過言ではありません。ところが今なら、例えば京都精華大学にはメディア表現学部やマンガ学部が設置されています。早稲田大学の文化構想学部も文芸・ジャーナリズム論系が、文芸中心ではありますが創作支援を行っています」(同・オバタ氏)

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