「代わりますよ、と言ったのですが…」同僚が証言 すき家で「ワンオペ」女性従業員が死亡

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3時間も放置

 事の概要は以下の通りだ。

 中井さんは既婚者で死亡時58歳。昨年1月からすき家でアルバイトを開始し、時給は千円(夜間は1250円)だった。

 亡くなったのは1月17日月曜日のこと。中井さんはその前日の22時に出勤し、2人体制で勤務。7時間働いた後、翌17日5時に同僚が帰り、そこから続けて朝9時までの予定で、シフト通りの「ワンオペ」勤務に入ったという。しかし、それから30分も経たない5時26分に、厨房内で倒れた。その後、朝食の時間帯には客も入店したというが、店員の姿が見えないので不審に思ったのかすぐに退店。結果、彼女は3時間も放置され、8時44分、9時からのシフト交代で訪れた従業員によってようやく発見された。

 その後、病院に運ばれたものの、死亡が確認された。死因は心筋梗塞だったという。

他の従業員は「シフトを代わります」と提案

「実は私、中井さんと直前までシフトが同じでした」

 同店を訪れると、当日、朝5時まで一緒に勤務していた店員が在店しており、話を聞くことができた。

「中井さんと会うのはその日が初めてでしたが、こちらが気を遣うくらい疲れている様子。だから5時以降の勤務についても“代わりますよ”と言ったんですが、“大丈夫”と。直後に倒れて、亡くなったと聞いた時は本当にショックでした」

 実は中井さんは、すき家と同時に松屋でも働いていたとか。「ダブルワーク」で疲労が溜まり、心臓が悲鳴を上げたのであろう。

 それにしても、である。

 仮に5時以降も、店に複数の従業員がいれば、中井さんはすぐに救急処置を受けることができたはず。命を救えた可能性もあった。

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