「代わりますよ、と言ったのですが…」同僚が証言 すき家で「ワンオペ」女性従業員が死亡

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 あの“反省”は偽りだったのか。過去に従業員の過酷な「ワンオペ」勤務の実態が表沙汰となり非難にさらされた「すき家」。さすがに改善されたものと思っていたが、ここ最近でも常態化し、「ワンオペ」中に死者まで出ていたという。ブラック改善なら救えた命が、失われていた。

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〈今年1月、すき家でワンオペ中に50代の女性従業員が倒れ死亡。午前5時半に意識を失い、発見されたのは、次のシフト担当者が出勤した午前9時になってのこと〉

 そんな情報が本誌(「週刊新潮」)に寄せられたのは、先月末のことであった。

 すき家は、全国で2千近い店舗を構え、「吉野家」「松屋」をしのぐ牛丼チェーン最大手。親会社の「ゼンショーホールディングス」は、グループ全体で6千億円ちかい売上高を誇る一大外食企業だ。

 情報提供者は続ける。

〈このことをすき家は他の従業員にも公表せず。ワンオペでなければ亡くなることはなかったと思います〉

〈年末年始は2週間も休みがなかったそうです〉

報告書でワンオペの問題点が厳しく指摘されたが…

 同社と「ワンオペ」といえば、2014年の“鍋の乱”が記憶に新しい。

「すき家は、人件費を抑え、利益率を上げるため、ひとつの店を従業員一人で切り盛りする『ワンオペ』運営を導入していました」

 とは、労働問題に詳しい、さるジャーナリスト。

「しかし、仕込み、注文、調理、配膳、会計、清掃までを一人でこなす必要があるため、過酷な労働となるのは必至で、防犯上も問題がある。調理に手間のかかる『牛すき鍋定食』の提供開始を機に、従業員が勤務をボイコットし、実態が明るみに出た。この問題でゼンショーは“ブラック企業だ!”と非難を受け、第三者委員会を設置。その報告書ではワンオペの問題点が厳しく指摘されました」

 それから8年。

 先の情報が正しければ、すき家の実態は変わっていなかった、ということになる。

 情報提供者によれば、当該店舗は名古屋市郊外にある。これと氏名とを元に、当のすき家に確認を行った。すると、同社の広報は事実を認め、女性の名を仮に中井かおりさんとすれば、

〈勤務中にお亡くなりになった中井さん、そしてご家族のみなさまには心よりお悔やみ申し上げます〉

 と述べたのである。

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