議論百出「AV新法」の抜け穴、 配信者が明かす「FC2コンテンツマーケット」という“無法地帯”

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 5月27日、衆院で「AV出演被害防止・救済法案(AV新法)」が全会一致で可決され、今国会で成立する見通しとなった。4月の民法改正にともなう成人年齢の引き下げで、新成人となった18歳や19歳のAV出演に際しての被害防止を謳ったものだ。しかし、新法の網の目をスリ抜ける危険性が指摘される「同人AV」への実効性については、業界内から早くも不安の声が上がっている。【河合桃子/ライター】

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 AV新法の骨子は、作品公表から1年間(経過措置として施行後2年は2年間)は、出演者の求めに応じて無条件で契約を解除でき、また販売や配信の停止をできるようにした点だ。

 AV業界では2016年以降、出演者に対して「出演同意書」への記入が義務化されたため、本来は出演強要問題などは起こらないはずだ。それでも、いまだ「なかば騙されるように」AVに出演させられたと訴えるケースが報告され、4月以降、新成人への被害拡大が懸念されていたことが法案成立の背景にある。

 一方で、業界やSNS上で「同人AV」と呼ばれる、「FC2コンテンツマーケット」というサイトで配信される作品について、どこまで新法の網が及ぶかは見通せない状況にあるという。

 FC2で様々な動画を投稿している、配信者のひとりであるX氏が話す。

「FC2の特徴として挙げられるのが、運営会社が米国法人でサーバーもアメリカにあるため、日本の国内法の及ばない“治外法権”にあるという点。そのため、FC2に投稿される同人AVには性器が露出した無修正動画の類いも珍しくありません」

 販売価格は300円~数万円までと幅があるが、配信者にとってはオイシイ商売なのだという。

約3億円の売上

 5月19日、警視庁はわいせつ電磁的記録媒体陳列の容疑で都内在住の無職の男(43)を逮捕した。20年10月以降、自ら撮影したわいせつ動画113本をFC2コンテンツマーケットで販売し、約2億9400万円を売り上げたとされる。

「“無名の男”というアカウント名を使い、昨年のFC2の販売者ランキングで3位だったことも判明。出演している女性はSNSで募集して集めたと供述しています」(全国紙社会部記者)

 ここ1年間だけでも、FC2にわいせつ動画を投稿した配信者の逮捕事例は複数あり、大半が数千万円単位の売上をあげ、出演女性はSNSを通じて集めたケースがほとんどだった。

 X氏も女性はSNSで募集しているという。

「主にTwitterなどで“#同人AV募集”などと呼び掛けると、興味を示した女の子からバンバンDMが来ます。人気の理由は同人AVの場合、ギャラの多くはその場での取っ払いで、誰かに中抜きされることはないからだと思います」

 同人と正規のAVの大きな違いのひとつがここにある。

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