プロ野球「新・助っ人」採点【ベスト3編】 1位はパイレーツ「筒香」の影響で日本に活路を求めた選手

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【第2位】マクブルーム(広島) 打率.278、6本塁打、30打点

 主砲・鈴木誠也のカブス入りで攻撃力低下が懸念された中、代役として申し分ない数字を残す。年俸は7700万円。もともと費用対効果の高さで知られる広島の外国人選手の面目躍如の活躍だ。

 セ・リーグ球団の渉外担当者は、「広島は外国人獲得の基準が明確で、例えば投手なら190センチ以上の長身。日本人には少なく、その希少性で活躍する確率が高いというのが根拠になっている。日本でもプレーしたエルドレッドやシュールストロムを駐米スカウトとして雇って情報収集。メジャーで伸び悩んでいたマクブルームだが、日本なら成功する可能性があると正しく評価できたのだろう」と感心する。

 マイナーでは好成績を残すものの、メジャーでは通算3年間しかプレーできず、66試合で6本塁打とさっぱりだった。それが今や、大リーグのスカウトも注目する存在になった。アマチュア時代から遅咲きを自認するだけに、これからピークを迎える可能性はある。セシル・フィルダーは阪神で主砲となり、メジャーに逆輸入後、2年連続本塁打王でスーパースターの座に上り詰めた。

 先のスカウトは「広島は経費が限られており、争奪戦になればマネーゲームには参戦しない。1年でのメジャー復帰もあるかもしれない」と予想する。

【第1位】ポランコ(巨人) 打率.281、8本塁打、18打点

 ペナント奪回が最重要課題の巨人で、開幕ダッシュの立役者の一人だ。ドミニカ共和国出身の外野手は強力打線の一角を担っている。

 2014年から8年間パイレーツ一筋で、通算96本塁打、18年には23本塁打を放った。だが、年俸1160万ドル(約15億円)で迎えた複数年契約の最終年に当たる昨季は、途中加入の筒香嘉智が活躍したことで出番減。結局、107試合で11本塁打と低調な成績に終わった。来日までの経緯を、メジャー選手の代理人が説明する。

「昨年9月に30歳となった。大リーグでは伸びしろがないと判断され、好条件での契約が望めない年齢。昨年末からはロックアウトがあり、開幕するかどうかも分からなくなった。ならばと日本にラストチャンスを求め、年明けに巨人入りする運びとなりました」

推定年俸は2億5000万円。パイレーツ時代からは大幅ダウンだが、日本では高年俸だ。

「巨人は人気球団ゆえに大物外国人が不振だと、マスコミを含め、スケープゴートになりやすい。これまでもプレッシャーに押しつぶされた外国人は少なくない。大リーグ経験がなく、独立リーグから加入したウォーカー(年俸30万ドル=約3900万円)とともに、珍しく自前で取った外国人が当たっている」(元NPB監督経験者)。 

「パイレーツは弱小球団だったこともあり、優勝を争う環境に張り切ってプレーしている姿も好感が持てる」(巨人担当記者)。

 昨季とは逆に筒香がパイレーツで苦しむ中、出番を奪われた男がチャンスをつかもうとしている。

デイリー新潮編集部

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